「カニエ・ウェスト問題」アディダスが被る損害 人種差別言動繰り返すウェストと契約解除

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Yeezy がなくても、アディダスは年間3億足以上の靴を出荷しており、これは同社に年間200億ドル近い利益をもたらしている、とスワーツは言う。アディダスは、今年11月から12月にかけてのクリスマス商戦で、サッカーW杯に出場するドイツ、スペイン、アルゼンチンのチームのユニフォームも作っているという。

アメリカ・ユダヤ人委員会のテッド・ダイッチCEOは、「遅きに失したとはいえ、アディダスのこの断固とした行動を歓迎する」と述べている。

ダイッチCEOはイェについて、「彼は、お金が回り続ける限り、堂々と発言できると信じていた」と語る。そして、「ウェストと関わることで利益を得ているほかの企業も、彼にその考えを捨てさせなければならない」。

イェの最近の「付き合い」を不安視するファン

イェとアディダスの契約終了は、彼の最近の音楽的事業が以前の努力に及ばないものであることにも起因している。例えば、彼の最後のアルバムはストリーミングサービスではなく、独自の200ドルのスピーカーデバイスで発売された。

長年のファンからは、保守系作家のキャンディス・オーヴェンズや、保守系コメンテーター、タッカー・カールソンとの付き合いが増え、右派系ソーシャルネットワーク、Parler(パーラー)の買収に合意するなど、右派の人物との関係を批判する声もある。

イェは企業世界を拒否し、彼が 「Yecosystem(イェコシステム)」と呼ぶものを創造する一環として、自身の小売店を開く予定であることを明言している。

だが、Yeezyブランドの将来は不透明だ。イェはまだYeezyの商標を所有している。しかし、アディダスは声明の中で、パートナーシップから生まれた既存の製品、そしてコラボレーションから生まれた過去と新しいカラーリングのすべてのデザイン権の「唯一の所有者」であると述べている。

10月17日に発売されたアディダスとしては最後のYeezyスニーカーを即座に売り切れさせた、"スニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーマニア)"たちが、今後どう反応するかはまだわからない。

(執筆:Melissa Eddy記者, Vanessa Friedman記者、Michael J. De La Merced記者)

(C)2022 The New York Times

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