「カニエ・ウェスト問題」アディダスが被る損害 人種差別言動繰り返すウェストと契約解除
カニエ・ウェストが一連の反ユダヤ的な発言をし、白人至上主義者に関連するスローガンを掲げていたこの2週もの間、ウェストのファッション帝国における最重要なパートナーであるアディダスは、このラッパー兼デザイナーとの関係について「検討中」とだけ発表していた。
だが、現在はYe(イェ)として知られるウェストが攻撃的な行動を続け、彼の発言に対する非難が広まる中、アディダスは10月25日、ウェストとの契約を打ち切る発表した。同社はこの決定により、今年2億5000万ユーロ(約368億円)の損失が出るとしている。
所属事務所も、レコードレーベルも契約終了
ある試算によると、イェにとって年間1億ドル近い価値があったという、ほぼ10年にわたるパートナーシップの終了は、ここ数十年で最も影響力のあるポップスターの1人でありながら、偏向的で信頼性のない存在となっていくイェの今後を問うものとなった。
イェがかつて所属していた事務所のCAAはもはや彼の代理人ではないとし、彼の長年のレコード会社であるDef Jam(デフ・ジャム)も昨年、彼の契約が切れたと発表していた。
「アディダスは反ユダヤ主義や、その他のあらゆる種類のヘイトスピーチを許さない」と同社は声明で述べている。「イェの最近のコメントと行動は、受け入れがたい、憎しみに満ちた危険なものであり、多様性と包括性、相互尊重と公平性という会社の価値観に違反している」。
ドイツのヘルツォーゲンアウラッハに拠点を置く同社は、直ちにパートナーシップを解消し、イェのブランドである「Yeezy(イージー)」の生産を終了し、イェと彼の企業への支払いを停止すると発表した。