｢カニエ･ウェスト問題｣アディダスが被る損害 人種差別言動繰り返すウェストと契約解除

1カ月以上に及び、イェは著名な挑発者であっても許容される行動の境界線を試してきた。YZYSZN9のパリ・ファッションウィークのショーで、彼は「White Lives Matter」というスローガンのシャツを着ていたが、これは反ユダヤと戦う、名誉毀損防止連盟（ADL）がヘイトスピーチと認定した、白人至上主義運動で採用されているスローガンだ。

その直後、イェはソーシャルメディアやインタビューで反ユダヤ的な発言をし、ツイッターでは "Death con 3 ON JEWISH PEOPLE"と反ユダヤ的な投稿をした。

インスタとツイッターはただちにアカウント凍結

その後、すぐにイェに対して企業が反応し始めた。

インスタグラムとツイッターはイェのアカウントを凍結。タレント事務所WMEの親会社エンデバーのアリ・エマニュエルは、エンターテインメント企業に対してにイェとの仕事をやめるよう呼びかけた。イェの「Yeezy Gapプロジェクト」（9月に終了）で提携し、今月パリで行われたショーでイェがモデルとして登場したファッションブランドのバレンシアガは、ショーの写真や動画から彼を削除した。

ファッションショーの写真などを掲載するヴォーグ・ランウェイからも同様の画像が消え、ヴォーグ誌は今後イェと「仕事をするつもりはない」と表明している。同誌は、元妻のキム・カーダシアンとともに表紙に登場し、メットガラにもたびたび出席していたイェと今後仕事をすることはないとしている。

24日には、スタジオMRCがイェに関するドキュメンタリーを棚上げにすると発表。先月、イェとの契約を終了したギャップは、25日にYeezy Gapの商品を店舗から撤去する「即時措置」をとり、関連ウェブサイトを閉鎖したと明らかにした。

さらに同日には、全米プロ・フットボール・リーグ（NFL）のチーム、ロサンゼルス・ラムズの選手、アーロン・ドナルドと、全米プロバスケットボール協会（NBA）のボストン・セルティックスの選手、ジェイレン・ブラウンが、反ユダヤ主義的な発言を理由に、イェのマーケティング会社であるドンダ・スポーツとの関係を断つとツイッターで公表した。