厚切りジェイソン、FIRE達成後に僕が買ったもの 本当に大事なものにはちゃんとお金を使う

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── 最初に就職されたGEヘルスケアは、当時はアメリカのトップ企業ですよね。ただ、そちらは数年で出てベンチャー企業に転職、さらに日本のIT企業に転職された。その間、生活資金以外のお金を、米国株のインデックスファンドにコツコツ積立されていた。仕事の面ではリスクをとってチャレンジされている印象、一方で投資は、かなり地道で堅実なスタイルという印象。ギャップを感じます。

(写真/トヨダリョウ)

厚切:僕にとっては、どちらも合理的な選択なんですけどね。仕事の面では、僕は出世願望が強かったんですが、GEは他の人も優秀で、短期的に出世することは難しかった。でもベンチャー企業に転職すれば、すぐに責任ある仕事を任せてもらえるだろうと。「日本語」「コンピュータサイエンス」という僕のスキルをフル活用すれば、より早く活躍できて、権力とお金が手に入るだろうと思ったんです。

転職が万が一失敗だったとしても、次の仕事を見つける自信もあったし、GEに戻ることもできたと思います。まあアメリカ人の就職は「スキル重視」で、人材も流動性がある。そこは「企業に就職する」感覚の日本人とは大きく違うかもしれませんけど。
 
── 転職もリスクではなかったと。

厚切:投資のスタイルも合理的なんです。米国株のインデックスファンドに投資しているのは、アメリカ経済全体では、20年単位で見ると必ず成長しているから。僕が投資を始めたのは2005年。2007年にはリーマン・ショックで株価が暴落しましたけど、数年で回復して資産は増えた。最近のコロナショックからの回復も早かった。

最近ではウクライナ紛争が不安材料だとされていますけど、アメリカは過去20年近くアフガニスタンと紛争状態でしたが、それでも成長してきた。10年、20年単位で考えるとアメリカ経済はやはり力強いんです。しかも長期で投資するほど複利の効果も大きいですしね。

コロナ以来、日本人の投資意識は大きく変わった

── なるほど。でも日本人はずっと貯蓄志向が強かったですし、今も投資には不安を感じる人も少なくありません。

厚切:日本はバブル崩壊で投資家が大きく損をしましたし、それ以来、国としてもあまり成長していないから、仕方がない面はあります。現実的に日本経済に長期で投資しても、そこまで増えていない。利益を出すという面では、海外で成長している国への投資には負けてます。そういう意味でも、僕はアメリカ経済を推すんです。

ただ、投資の目的は利益だけじゃなくて、自分が生きている国を支えるとか、応援したい企業や事業を支えるとかという意味もあるから、日本経済に投資しちゃダメってわけではないんです。でも、いずれにせよ将来の資産ということを考えたら、日本人の賃金は上がっていないから、やはり投資で増やすしかないんですよ。

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