英国史上初「インド系首相」誕生の知られざる背景 金融業界出身のエリート、リシ・スナク氏が就任
劣勢に立たされている保守党内ではインド系は心強い党員で無視できない存在だ。スナク氏を党首にすることでインド系有権者を引きつけ、次回の選挙につなげたいところだ。
CEIPの報告書でも、マイノリティーとはいえ、インド系イギリス人が「イギリス政治のキャスティングボードを握る存在に浮上しているのでは」と指摘している。その指摘があった1年後、スナク氏は先輩保守党議員の中からも安定した支持を得て、首相に就任した。スナク氏の至上命題は保守党内の結束を取り戻し、経済を再建することだ。
ジョンソン氏辞任の引き金だったスナク氏
ただ、保守党内に不安がないわけではない。ジョンソン氏辞任の引き金となったのは、スナク氏が財務相を辞任したことだった。トラス氏の辞任も重要閣僚の内相に任命したパキスタン系のスエラ・ブラヴァマン氏が、トラス氏を批判し、内相を辞任したことが決定打となった。インド・パキスタン系イギリス人は恩義の感覚がないという見方もある。
イギリス国内でひそかにささやかれるのは、「優秀なら移民でも国を任せていいじゃないか。だめなら労働党に政権が移行するだけだ」という意見だ。スナク氏を待ち構えているのは難題だらけで、どれも先が見えないとイギリスのどのメディアも指摘している。スナク氏の実力が試される。
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