おおた:そういうことなんですよね。要は力を持ってる者がますます搾取していいっていう原体験を12歳にさせちゃうってことになるわけで。
高瀬:おそらく搾取っていう自覚もないですね。この「解説」を読んだ時に、搾取してるとかされているとか、その想像も意識もせずに、搾取する側に回っていく世の中の構造が、こんな塾みたいな小さな場所で行われてるんだと思って、背筋が寒くなりました。
朝比奈:本当に、そのとおりだと思います。そういう構造があること自体、広くは認知されていないですよね。
子どもが何を受け取っているか
おおた:そういう私だって、同じ立場だったらラッキー!って思っちゃうかもしれないのも真実で……。
高瀬:どこかでやっぱり、ちょっと誇りに、それはおごりと紙一重ですけど、思うはずで。もしそういう優秀な子どもを持った時に、はたして「うちの子は優秀だから当然よね」と思わない自信があるかって言われたら、私にもないので……。
朝比奈:わが子が優秀だからという気持ちももちろんあるでしょうけれども、それ以前に、あと何日だから、利用できるものは何でも利用しようっていう気持ちもあるかもしれませんよね。
おおた:そりゃそうですよね。だから渦中において、それを利用するっていうこと自体は責められない。ただそこで、やっぱり子どもが何を受け取っちゃってるのかっていうところには、親の責任として自覚的になってほしい。その分どっかで泣いてる子がいるかもしれないっていうことは、中学受験を終えてからでいいと思いますけど、やっぱり親子で話す必要があると思いますよね。
そうすることで、必死な中で期せずして受け取っちゃった毒を中和することができると思います。毒を毒とも感じないほどに、渦中にいると感覚がマヒしてしまいますからね。
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