宗教法人への献金「上限」規制が何とも悩ましい訳 教団に収入把握の正当性与える?裁判なら長期化

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以下、番組での主なやりとり。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):国会での議論で(宗教法人への解散命令請求の要件に関し)岸田首相がああいう形で法律解釈をパンと変えることは法治国家としていいのか。手順がある。法律解釈を変更するには、専門家の意見を聞いたり、内閣法制局の意見を聞いたり、宗教法人審議会の意見を聞いたりする手続きを踏まえて、最後に政治がこうすると決めるのが法治国家だ。ところが、岸田政権は先に自分の法律解釈を述べ、質問権やる、やらないを決め、これから専門家会議で基準を決めるとか、宗教審議会の意見を聞くと。これ、手順が逆ではないか。

(画像:FNNプライムオンライン)

守られるべき法の解釈変更のプロセス

柴山昌彦氏(元文科相、弁護士、自民党消費者問題調査会顧問):プロセスとしては確かに平和安全法制のときの解釈変更は内閣法制局がしっかりと見解を示した。

橋下氏:賛否両論はあったが、内閣法制局長官を代えながらも一応その意見を出した。

柴山氏:宗教法人法の解釈については、もともとあまり厳格な規定になっていなかった。会社法なども含めて厳格な規定ではなかったのと、まだ解釈が固まりきっていない側面があった。解釈が固まりゆく1つのプロセスとして、朝令暮改との批判はあったが、有識者の意見を聞いたうえでより妥当なものにしていくというプロセスだったのではないか。

菅野志桜里氏(前衆院議員、弁護士):橋下氏の問題意識は、変わった後の解釈が自分にとり都合がよければOKで、都合が悪ければダメだという、この判断基準はおかしいのではないかということだろう。私もそのとおりだと思う。今回、民法の(不法行為が入る)余地があった、それをなくした、またあるようにしたという(岸田内閣の)一連の解釈変更は、今、皆が解決しなければと思っているからどうしても結論よければ(それでいい)、みたいになってしまっているけれども、本当はこのプロセスについて何が起きたのか、もう1回きっちり分析しなければいけない。さらに今後に向けて考えたいのは、解釈変更の限界、分水嶺とはどこなのだろうということ。政治の通奏にずっと流れている大事な論点だ。

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