週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

「レストランの水問題」なぜ何度も話題になるのか 無料の水はマナー違反?意見分かれる2つの視点

8分で読める
2/4 PAGES

なぜ、無料の水問題の注目度が高いのだろうか。

それは、この問題には正解がなく、そして、立場や考え方の違いによって、結論が大きく異なるものだからだろう。

まず、高級店か大衆店かという店の価格帯や格によってそれぞれの事情がある。高級店では水やドリンクを注文することが一般的だ。例えばフランス料理は、ワインとともに楽しむという文化があるため、料理とワインを両方注文するのが暗黙の了解となっている。価格帯が高い店ほどそうだ。体質としてお酒が飲めない場合も、代わりにノンアルコールドリンクやミネラルウォーターを注文することが一般的となっている。

一方、カジュアルな店では無料であることが多い。席に着くとテーブルにすでに水が置いてある店もある。

次に人間関係によって。ハレの場やデートではつい財布のひももゆるむだろうし、日常の延長上の食事であれば、無料の水で済ませてしまうこともあるだろう。

さらに地域によって。日本の水道水がそのまま飲めるものであることが、冒頭の「水と安全はタダ」という感覚につながっているのは確かだろう。日本の水道水の水質基準は世界的に見ても高いといわれる。

水道水が飲めるレベルでなければミネラルウォーターを注文するしかないから、無料の水をたのむという場面がそもそも発生しない国や店舗も多い。水道水の水質が高いからこそこのような問題も起きるわけで、それは世界的に見ても幸運なことなのだ。

そしてそれらがマナーという言葉でくくられるような言語化されていない考え方の中にあり、さらに、基本的に水を注文するかどうかはゲストの自由であるため、店がそれを誘導するのは難しいという問題もある。飲食店の主の役割は料理を提供することであり、ドリンクは付属品であることがほとんどからだ。

無料の水だけで済ませるのはマナー違反?

ここで考えるべき2つの視点がある。

① マナー違反では?

飲食店が利益を得るためにゲストにドリンクを頼んでほしいと望んでいて、ゲストの側もその店といい関係を今後も保ちたいならば、何か飲み物を1杯でも頼んだほうがいいとなるだろう。

このあたりが日本の飲食店の水問題の、穏当で現実的な落としどころかもしれない。だからこそ、「飲食店ではマナーとして飲み物を頼むもの」という考えも生まれる。

一方で、無料の水を提供している以上、有料のミネラルウォーターを頼むかどうかはゲストの自由である。店側も、無料の水だけだと売り上げが確保できないのであれば、料理の価格を上げる選択も可能だ。

次ページが続きます:
【料理を楽しむために必要なもの?】

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象