「レストランの水問題」なぜ何度も話題になるのか 無料の水はマナー違反?意見分かれる2つの視点
ドリンクの価格はすべて店の裁量だ。料理との価格のバランスをどうするかも店の事情によって決まる。ドリンクの値づけがとても良心的な店、あるいはその逆の店、またドリンクのなかでもアルコールは良心的だがノンアルコールは高い店もある。料理が安いと思ったらドリンクがあまりに高すぎて頼めなかったという経験がある人もいるはずだ。
ゲストにも選ぶ自由があり、ゲストは価格によって注文するかどうかを判断できる。ドリンクを注文することは決められたルールではないのだから、高すぎれば注文しなければいいし、その店に二度と行かない選択もできる。料理に代金を支払っているわけだから、それ以上に支払う必要はないという考え方も当然ありうる。
② ミネラルウォーター、またはワインは料理を楽しむのに必要では?
これはとくにミネラルウォーターのなかでもガス入りの炭酸水の場合であるが、ガス入りの水は水道水とは比較できない、食中のドリンクとしての役割がある。
炭酸部分が食事中の口内を洗い流してリセットする役割は確実にあって、それは水道水での代用は難しいだろう。料理を真剣に味わいたいという場合に、ガス入りの水は重宝されている。
炭酸水であることが重要だというならば、水道水に炭酸ガスを注入するという考えも生まれるが、そういうレストランも実際に存在する。ある店は、ガス入りのミネラルウォーターを注文すると、水道水ではないものの、近隣の湧き水に自店で炭酸ガスを注入したものが「ガス入りの水」として出てくる。
解決策はあるのか?
これらの問題を解決するため、店側が行っているいくつかの例をご紹介したい。
最近増えたのは、ミネラルウォーターをボトル注文でなく1人料金で設定し、お代わり自由とするケースだ。その場合おおよそ1人1000円程度で、ガス入りかガスなしかを選ぶと、最初から最後までそのミネラルウォーターを注いでくれる。ボトルを何本注文すればいいか……という悩みから解放されるわけだ。
また最近は、コースの価格にペアリングワイン込みという店がちらほら見られるようになった。そうすれば、見た目の価格がかなり上がるが、ドリンクを頼む・頼まないという両者の葛藤は消滅する。ワインを注文してそれなりに店の利益に貢献できていると思えるならば、無料の水も頼みやすいだろう(ガス入りであるこだわりがなければだが)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら