慢性炎症は「静かなる殺人者」、怖さの根本要因 医師が指摘!のどや歯ぐきが腫れていたら危ない

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長く続く「慢性炎症」は多くの病気の原因になる(写真:プラナ/PIXTA)
季節の変わり目は風邪を引きがち。喉が赤く腫れてしまう人もいるでしょう。
一般に「炎症」と呼ばれるこの症状ですが、実は「急性炎症」のほかに「慢性炎症」が存在します。そして、実はこの慢性炎症はとても厄介なもの。内科医・今井一彰さんは「長く続く炎症は、体のどこでも起こる可能性があり、全身の多くの病気の原因になります」と語ります。
今井さんの新著『名医が教える 炎症ゼロ習慣 ~体内年齢が10倍若返る~』より一部抜粋・再構成してお届けします。

「なんとなく、ずっと疲れている…」

長引く疲れや不調。

「なぜか、やる気が出ない……」

原因不明のメンタル低下。

こんな悩みを抱えている方の諸悪の根源は、「お口の炎症」かもしれません。

私が長年医師をしているなかで気づいたことがあります。コロナ後遺症や関節リウマチ、その他の体やメンタルの不調を訴えられ、外来を訪れた患者さんの9割に、「のどの腫れや痛み」「歯ぐきの腫れ」「口臭」が見られたのです。

そこから「ひょっとすると、炎症が体に何か悪さをしているのではないか?」と考えるようになりました。

「老化」や「病気」は炎症がつくり出す

炎症というと、みなさんはどんな状態をイメージしますか?

たとえば「風邪で、のどが赤くなって、つばを飲み込むと痛い」「ハチに刺されたところが、赤く腫れてズキズキ痛む」などが、多くの人が考える一般的な炎症の症状でしょう。

このような症状はそのときはつらいものですが、ほとんどが一時的なもの。徐々におさまって、ほとんどが元通りに治ります。

ところがなかには、体の同じ部分で、長い期間、炎症が続いてしまうことがあります。この「長引く炎症」はさまざまな病気と関係があることがわかってきました。

炎症が続くと、細胞や血管が傷ついて、劣化していくため、病気を引き起こしてしまうのです。この長く続く炎症は、体のどこでも起こる可能性があり、全身の多くの病気の原因になります。

たとえば、がんや心筋梗塞、脳梗塞、認知症、糖尿病などの生活習慣病、肝炎、喘息、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、うつ病などの病気は、長引く炎症が原因になっていると考えられています。

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