慢性炎症は「静かなる殺人者」、怖さの根本要因 医師が指摘!のどや歯ぐきが腫れていたら危ない

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また、長引く炎症は「老化」とも関係しています。「このところ、老けてきたな」と感じたら、体内で炎症がくすぶっているサインかもしれません。炎症が続いて肌の細胞が傷つけばシミやシワができたり、肌がたるみます。頭皮の炎症が続けば、抜け毛や白髪の原因にもなります。「年だからしょうがない」と思っていた症状も、実は、炎症によって老化が加速して起こっていることがあるのです。

すぐに治る炎症と体をいじめ続ける炎症 

風邪のときののどの痛みや虫刺されの症状のように、一時的に起きる炎症を「急性炎症」と言います。風邪で熱が出るのも、ねんざをして患部が腫れて痛むのも、急性炎症の症状です。

こういった急性炎症の典型的な症状は4つあります。それが、「発赤(赤くなる)」「腫張(腫れる)」「発熱(熱が出る)」「疼痛(痛みがある)」で、これを炎症の4徴候と言います。ハチに刺されると、赤く腫れて熱を持ち、ズキズキ痛みますが、これはまさに炎症の4徴候です。

なぜ、このような炎症症状が起こるのかというと、体に侵入してきた細菌やウイルス、毒素などの異物を退治して、傷ついた細胞を修復するためです。

ハチに刺されたときを例にとって説明しましょう。

ハチに刺されると、ハチの針から皮膚の中にハチ毒が注入されます。すると、その刺激によって血管が広がって血流が増えたり、血管壁の透過性が高くなったりします。それは毒素を排除するために必要な免疫細胞(白血球など)や傷を治すために必要な物質(血漿たんぱく質など)を、血液に乗せて患部に運ぶためです。結果、ハチに刺された部分に血がたまり、運ばれてきた細胞や物質もたまるので、傷の周辺が赤くなって熱を持ったり、腫れたりするのです。

また、炎症が起こると痛みを引き起こす物質が出て、傷が痛みます。痛みや腫れは、私たちに「体が大変なことになっていますよ」と、危険を知らせるシグナルの役目も果たしています。

以上のように、炎症は本来、体を守ろうとする、正常な免疫反応なのです。そのため、傷ついた細胞が治れば、炎症もおさまります。風邪の症状も、虫刺されの腫れも、一定期間を過ぎれば自然と元通りに治りますよね。

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