株価の急上昇や急反落の後に何が待っているのか そろそろ底値が見えてきたと判断していいのか
ただ、14日の急反発は13日の途中までの下落に次ぐ下落で、売り疲れ気分が充満していた市場のストレスの「大きなガス抜き」になったことは事実だ。今回の動きが無意味だったとは思えない。
週明けの17日の日本株市場は、アメリカ市場の動きを追って、ひとまずは前週末比で反落、一服となろう。
今後は英国の引き続き金融不安を横目で見ながら、10月27日のECB(欧州中央銀行)理事会、11月2~3日のFOMCにおける利上げ幅の思惑と、量的引き締めの影響を感じながらの戦いが続きそうだ。その前に、まずは勇気を出してこの急落局面を買った筋がしばらく買い持ちでいられるか、すぐに手放してしまうのかを注視する必要がありそうだ。
最後に、その判断材料となりそうな今週の予定を見てみよう。市場に影響すると思えるものは以下の経済指標の数字だ。引き締めが強化されるか緩和されるかだけが注目されている今の市場では、むしろ経済指標の悪化が期待材料(?)となっている。
その期待材料の筆頭は、悪化を続けるアメリカの住宅関連指標だろう。18日の10月NAHB住宅市場指数、19日の9月住宅着工件数・許可件数、20日の9月中古住宅販売件数が注目される。
また、共産党大会が始まった中国からも目が離せない。7~9月期GDP、9月工業生産、9月小売売上高、1~9月の固定資産投資、1~9月不動産開発投資が発表される18日の11時前後に、市場が変動する可能性もある。
さらに、当然のことながらアメリカの決算にも注目が集まる。バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ネットフリックスなど連日続く同国企業の決算によって、「逆金融相場」が「逆業績相場」へと落ち込むのか、ある程度明らかになりそうだ。
インバウンド関連銘柄の上昇に期待
一方、「買い材料がない」と嘆く兜町筋で唯一期待するのが、19日に出る9月の訪日外国人客数だ。本格的な数字の上昇は10月以降になろうが、今まで相場予定表でも注目されなかった訪日外国人客数はこれから毎月最大の注目材料になるだろう。
インバウンド関連銘柄はすでに動いているが、ほかに買い材料がない現在、相場的にはまだこれからだろう。また、為替の介入のあるなしを含めてドル円相場の動きも注目だ。円安進行で企業決算に大きな数字が加算されることを市場はなお軽視している。
2023年まで続きそうな主要国の金融引き締め政策に、市場は売り飽き気分が横溢しており、陰が極まったところで相場は反転する。今回の激しい動きは、その兆候と考える。前回も言ったように、ここは「売られて泰然、買われて浮かれず」で乗り切ろう。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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