株価の急上昇や急反落の後に何が待っているのか そろそろ底値が見えてきたと判断していいのか
結局、13日のNYダウは前日比827ドル高で終了。安値からは何と約1400ドルもの上げでほぼ高値引け、3万ドルを回復するという予想もしなかった動きだった。まさに「予想で売って実現で買う」という、悪材料に対する相場の典型的な結果となった。
しかし、これにより「流れが変わった」「大底を入れた」と判断するのは早計であろう。
NYダウは引け値ベースの史上最高値3万6799ドル65セントから21.94%も下げており、わずか2.83%戻したにすぎないからだ。同様にS&P500種指数も25.42%の下げに対して2.60%、ナスダック総合指数も35.12%の下げに対して2.23%戻ったにすぎなかった。
ナスダックにおいては、翌14日の下げで再び年初来安値更新となっている。S&P500もあと6.04ポイントで安値更新のところで、とても「底入れした」などとは言っていられない状況だ。
日本株も市場心理は弱気に傾く
一方、日本市場においても、日経平均株価は13日のアメリカ市場を受けて14日に前日比853円高の2万7090円と大幅高となった。
ひとまず「アク抜け期待は出た」と言えそうだが、市場にはそれほど強気派が増えたとは感じられない。大幅高だったとはいえ、同日の日経平均は下向きの25日移動平均線(2万7148円)さえ超えていないからだ。
確かに、10月3日には取引時間中に安値2万5621円をつけたあと、日経平均は4連騰となるなど、それなりの勢いはあった。だが、結局は25・75・200日移動平均線がほぼ束になっていた2万7100~2万7400円台を抜けていない。多くの市場参加者はこのゾーンを完全に抜くとは思えないのだろう。
筆者がよく知る市場関係者が顔を合わせたときの最近のあいさつは「買い材料がないね」だったが、今回もニューマネーが入る明確な買い材料が出たわけではない。3日からの上昇がそうだったように、買い戻しだけでは限度がありそうだ。
割安感から日本株の購入を探る買い待ち筋も、買われすぎ、売られすぎを判断する「騰落レシオ」(値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数を計算して%表示するもの)の中途半端さに「買いのタイミングが取れない」とぼやいている。騰落レシオ(25日)はこのところの低調な相場にもかわわらず、買いゾーンとされる「70」をなかなか下回ってこない。
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