iPhoneの「気持ちよさ」が、料理さえも変える インタラクション研究者が描くIoTの未来

拡大
縮小
IoT的道具が発売されれば、料理中にはかる手間がなくなるかもしれない(「smoon: 計らなくて済むスプーン」より)

モノのインターネット(Internet of Things、IoT)は、2015年のテクノロジー業界、そしてインターネット業界のキーワードとして注目されている。

使うのが「人」だけではなく、機械同士の通信によってネットワークを活用するため、その数は膨大に膨らみ、またあらゆるモノがインターネットにつながる、インターネットデバイスがどこにでもある、という状況が作り出されようとしているからだ。

しかし技術や考え方は、センサーネットワークや、集中管理のそれとあまり変わらない。「IoT」はマーケティング用語としてつけられた、といってもよい。

近年の変化として、インターネットに接続できるデバイスがより安価になったことや、クラウドの活用が進んだこと、人がスマートフォンを持っているため、専用アプリで連携する環境を作りやすくなったことが挙げられる。

認知度の低さとプライバシー

しかしながら、IoTという言葉の認知度はまだ低い。マクロミルの調査(IoT浸透実態×IoT時代のプライバシー意識調査)によると、IoTの認知は9%に留まっており、一般の人々にとってはまだ「キーワード」にはなっていないことがわかる。確かに、IoTによって、具体的に何のメリットが得られるのかが浸透するに至っていないのも事実だ。

この調査はプライバシー意識についても触れられており、ウェブ訪問履歴や顔写真、勤務先や金融情報に関してセンシティブな反応を見せている。

IoTとプライバシーの調査を組み合わせている点も意識するべきだが、IoTによって、センサーやカメラなどの情報が自動的にインターネットを介して収集されること、あるいはこれらが何らかの原因で流出することへの懸念もまた、IoTの認知の拡大に従って大きくなっていくことが考えられる。

次ページIoTは目の前の人の役には立たない?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT