新幹線の恩恵ある?長崎を走る「島原鉄道」の現実 私鉄として地域発展を支えた自負を持つが…

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有明海が目の前に広がる島原鉄道の大三東駅(写真:恵 知仁)

いまから150年前、1872年の10月14日。日本初の鉄道が新橋―横浜間で開業した。このとき使われた蒸気機関車「1号機関車」は現在も、鉄道博物館(さいたま市)で保存、展示されている。

この1号機関車は、長崎県の島原鉄道という地方鉄道を走ったことがある。鉄道院から島原鉄道へ1911年に払い下げられ、「島原鉄道の1号機関車」としても使用された。

1号機関車はその後、1930年に鉄道省が島原鉄道から引き取って保存することになり、現在へ至る。1号機関車との別れにあたって島原鉄道の社長が残した「惜別感無量」のプレートが、令和の現在も、鉄道博物館にある1号機関車の車体に光る。

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有明海が目の前に広がる駅

島原鉄道は1908年の創立以来、114年もの長い歴史を持つ私鉄だ。雲仙岳がそびえる長崎県の島原半島を中心に事業を展開しており、諫早―島原港間の43.2kmを鉄道で結ぶほか、路線バス事業、福岡市へ向かう高速バス事業、長崎県南島原市の口之津港と熊本県天草市の鬼池港を結ぶフェリー事業なども行っている。

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近年では、有明海が目の前に広がる島原鉄道線の大三東駅(長崎県島原市)が、2021年に「キリンレモン」、2022年に「マックシェイク」などのテレビCMでロケ地に選ばれ、広く注目を集めた。

2018年には、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録され、島原鉄道の事業エリア内にある原城(長崎県南島原市)が、その構成遺産になった。

そして2022年9月23日には、島原鉄道線の始発駅である諫早駅に、西九州新幹線「かもめ」が停車するようになった。

明るい材料が多いようにも見えるが、島原鉄道の永井和久社長は、必ずしもそうは思っていない。

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