すき家、深夜営業の再開に3月の"関門" 外食業界で人手不足が最も深刻化する時期

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2014年8月の会見で、ワンオペを全店解消する方針を打ち出した小川賢太郎会長兼社長

そこにあるのは、創業者である小川賢太郎会長兼社長のこだわりだろう。

昨年8月の会見で小川会長は、「従来のすき家は深夜赤字で運営が苦しくても、全店24時間営業やっていくというビジネスモデルだった」と述べていた。そこには、店舗によっては赤字で厳しくても、24時間営業を行うことが差別化につながり、こうした”食のインフラ”の提供が消費者のためになる、との考えがある。

この会見でワンオペが解消できなければ、深夜営業を休止する方針を打ち出したが、「24時間365日、お客様に来ていただく業態という意味では、基本的に変わらない」(小川会長)とも語っていた。

職場環境の改善度合い

ただ、24時間営業の再開ありきで、結果的に利益を減らしては元も子もない。深夜営業の再開と併行し、メニューの改廃や新商品投入で売り上げを伸ばし利益を確保することが重要な課題といえる。

昨年11月には、外部有識者で構成する「職場環境改善促進委員会」が発足した。現在取り組む職場環境改善の進捗度合いを評価し、ゼンショーHDの経営陣に提言することを目的としている。3月末をメドに中間報告を発表する予定だが、今後の人員確保を円滑に進めるうえでは、報告書の内容も大きなポイントになる。

3月の”関門”を通過し、健全な形で24時間営業の全店再開にこぎ着けられるのか。すき家にとって険しい道のりはしばらく続きそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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