すき家、深夜営業の再開に3月の"関門"

外食業界で人手不足が最も深刻化する時期

都内の店舗。深夜営業の休止に伴い、24時間営業の表示部分(写真左)が黒くなっていた(撮影は昨年10月上旬)

もっとも、6月以降に深夜営業を全店再開できたところで、一件落着というわけでもない。

深夜の一人勤務体制を二人にすると、当然ながら人件費は2倍になる。しかも、人件費自体の上昇傾向が続いている。アルバイトの時給調査を行うリクルートジョブズによれば、フード系全体の三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は、直近3年を見ても、前年同月比で毎月増加。2015年1月の平均時給は931円と、前年同月比で9円上がっており、3年前の1月と比べると21円もアップしている。

 深夜営業時間帯の採算

それだけでなく、円安の影響もあり、牛肉を中心とした食材価格が上昇、もしくは高止まりしている。ライバルの吉野家は牛肉価格の高騰を理由に、昨年12月に牛丼並盛を300円から3割近く引き上げて380円にするなど、大幅な値上げに踏み切った。

牛丼並盛291円と業界最安値を維持するすき家にとって、たとえ深夜営業を再開しても収益的には厳しい状況が続きそうだ。実際、ゼンショーHDも「(24時間営業店が)仮に黒字でも以前と比較すると黒字幅は縮小している。深夜の時間帯だけで赤字に陥っている店舗もある」と説明する。

深夜営業を再開しても、全体の売り上げが増える一方で、利益が減ってしまうという可能性は否定できない。利益確保を優先するならば、再開しないという選択肢もあるはず。にもかかわらず、なぜ全店再開を急ぐのか。

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