警官を取り囲み袋叩き「イラン反体制デモ」の壮絶 22歳女性が拘束され死亡した事件が引き金に
「どれも法で罰せられる行為だ」と、ラムゼイ氏は電話取材に語った。「シュプレヒコールとデモ参加者の数において、人々はイスラム共和国(の体制側)に深刻な挑戦を突きつけている」
目撃者らによると、20日遅くには数百人のデモ隊がテヘランの街頭に繰り出し、タイヤに火をつけ、「独裁者に死を」「命、自由、女性」と叫んだ。圧政や経済難に苦しみ、不満をため込んだ人々の間で、抗議行動に対する支持が広がっているのは明らかだという。
パトカーを燃やし、警察官を殴る蹴る
デモ参加者の中には、治安部隊に反撃し、石を持って追いかける者もいた。イスファハンとテヘランではデモ隊がパトカーやオートバイに火をつけ、ケルマーンではデモ隊が警察官を取り囲んで殴る蹴るの暴行を加える様子が映像に映っていた。
人権団体のヘンガウによると、アミニさんの出身地であるイラン北西部のコルデスターン州の都市ではデモ参加者のうち少なくとも7人が死亡。ヘンガウは、犠牲者の名前と写真をネット上に掲載した。
ヘンガウがウェブサイトに載せた声明には「イラン治安部隊による直接の銃撃で」殺害されたと記されている。コルデスターン州の都市で起きた抗議デモでは、少なくとも450人が負傷し、500人以上が逮捕されたという。
イランのメディアは、21日にニューヨークの国連総会で演説を控えたライシ師が18日、アミニさんの死に関する調査を命じたことを家族に伝えたと報じている。