警官を取り囲み袋叩き「イラン反体制デモ」の壮絶 22歳女性が拘束され死亡した事件が引き金に
イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ大統領は21日、イラン・イラク戦争の退役軍人の記念式典で演説したが、抗議行動に関する言及はなかった。国営メディアは、ハメネイ師の代理人が国民の反発を抑えようとアミニさんの実家を訪問したと伝えている。
「侵害された権利を守るため、すべての機関が行動する」。アブドレザ・ポルザハビ顧問は国営メディアで「アミニさんの家族に約束したように、最終結果が出るまで、私もまた彼女の死の原因を追跡調査する」と語った。
国連人権高等弁務官代理のナダ・アルナシフ氏は20日、抗議デモに対する治安部隊の「暴力的な対応」を非難し、独立した調査を要求した。
最高指導者が生きている限り変化は訪れない
イギリスの王立国際問題研究所で中東プログラムの副責任者を務めるサナム・ヴァキル氏は、83歳のハメネイ師が生きている限り、このような根本的な問題に対し抗議行動で真の変化がもたらされる展開はほとんど期待できない、と話した。
「人生が終わりに近づく中、彼は自分の政治的遺産を守り、体制を完全に維持することを望んでいる」とヴァキル氏は言った。「彼の世界観は、妥協はさらなる妥協への扉を開き、強さではなく弱さを示すことになるといったもので、それは周囲の人間にも共有されている」
(執筆:Cora Engelbrecht記者、Farnaz Fassihi記者)
(C)2022 The New York Times
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