売れない商品作る人が見逃しがちな4つの注意点 感情に訴えれば商品が爆発的に売れる訳ではない

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「感情を刺激するコンテンツはバズりやすい」という説を聞いたことがある人は多いでしょう。思わず笑みがこぼれる猫の失敗動画や、世の不正を暴いて読者の怒りをかきたてるニュースなど、受け手の感情を刺激するコンテンツは、内容がポジティブかネガティブかを問わず拡散されやすい印象があります。

ところが、バーガーらの分析によれば、感情は流行を生み出す要素の一部でしかなく、特定のコンテンツが拡散される理由の“7.43%”しか説明できませんでした。

残りの約93%を構成する要素は多岐にわたり、情報の希少性、記事の実用性、コンテンツの表示位置、記事の投稿時間、作者の信頼度や知名度、内容のわかりやすさ、ストーリー性の高さ、テーマ性の強さ、権威性の有無など、数えだしたらきりがありません。ネット上で「バズを生み出す3つの成功法則」のようなアドバイスをよく見かけますが、現実のデータでは支持されないようです。

上手い鉄砲を、数撃って当てるしかない

バーガーらの結論を端的に言い換えれば、こうなるでしょう。

「私たちは、できることをすべてやるしかない」

「バズる」コンテンツに唯一の秘策などは存在せず、私たちが流行を生み出すためには、ユーザーの感情をかき立てるだけでなく、残る93%の要件を限界まで満たさねばなりません。

しかも、その施策は何でもよいわけではなく、ラボ実験などで効果が裏づけられた、精度が高いテクニックを使う必要もあります。

要するに、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」では大した効果を望めず、バズるためには「上手い鉄砲を数撃って当てねばならない」わけです。

何とも難しい話ですが、「消費者の心を動かす手法」についてはすでに膨大なデータが存在し、先に挙げたバーガーらの研究のほか、社会心理学や消費者心理学の世界からも複数の報告が上がっています。それらの手法を少しずつ取り入れていけば、確実に「バズる」商品への一歩を踏み出すことができるでしょう。

そこで、商品を使うユーザ-の「体験」 について考え、その形をデザインしていきます。ここで言う体験とは、ユーザーに次のような感覚をもたらす商品設計のことです。

1. 商品に触れているとなぜか楽しい
2. 同じ商品をずっと使い続けたくなる
3. 商品のことを周りの人に広めたくなる

いくら消費者の脳内を理解して商品の価値を高めても、商品を実際に使ってもらわねば話がはじまりません。「私の商品はこれといった特徴がなくて……」と思われる人もいるでしょうですが、うまくやれば、難解な科学ニュースでも注目を集められるのです。

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