ガンホー社長が語る、パズドラ"長寿"のコツ 国内3400万ダウンロード突破、次の一手は?

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パズドラの爆発的ヒットに目を奪われがちだが、森下一喜社長には確固たる経営哲学がある
2012年にリリースしたスマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の爆発的ヒットで、急成長を遂げたガンホー・オンライン・エンターテイメント。ただ、サービス開始から3年が経過し、直近の決算は前年同期比で2四半期連続の減収減益。これまでの成長にも陰りが見え始めた。今後の戦略をどう描くのか。森下一喜社長に聞いた。

 

――パズドラも3周年を迎え、ピークアウトが見え始めている。

国内で3400万ダウンロードを突破し、スマホを持つ2人に1人が遊んでいる計算になる。国民的タイトルとして、高位安定を維持していくことが一番重要だ。課金率や1人当たり売上高が少し下がっていると指摘されることもあるが、気にしていない。

スマホのビジネスが儲からなくなって崩れると、多くのIT企業は一気に離れていくと思う。でも僕たちはゲームしかできないから、やり続けるしかない。自分たちで生み出した「パズドラ」というキャラクターを、世代を超えてつなげていきたい。

よくキャンプファイアーにたとえて言うが、薪を燃やそうと思えば燃やせる。すごい勢いで火が上がっても、それでは短命化する。燃え過ぎたら薪を少し控えるとか、適度にコントロールすることが長期運営の秘訣。過去の経験からそう思っている。

――業績を維持するための施策は?

目先の数字が大事なことはよく分かる。本当にゲームというものに愛がないなら、平気で一気に収益を上げようとするだろう。でも「何で顧客単価が上がらないんだ?」なんて話は、社内でいっさい出てこない。逆にかなり上がると、「じゃあ、ちょっと落とそう」となる。

「グーッと長く続けたい」

僕は経営哲学として、短期的な収益を追うよりも、長期的なブランド育成を考えている。どちらがいい悪いではなく、僕たちの思いなので。バーンと売り上げを増やすよりも、グーッと長く続けたい。スマホに限らず、プラットフォームを超えて、続けることが重要だ。

おそらく5年後には、スマホとは違う新たなプラットフォームに入れ替わっているかもしれない。でも僕らは、家庭用ゲームも作れるし、スマホゲームもPCオンラインゲームも作れる。別に何が来てもあまり困らない。

――パズドラの人気をどのように持続していくのか。

よく「プロモーションの山を作る」と言われるが、僕は「山は作るな、山脈を作れ」と言っている。

山を点とすると、それを線で繋ぐイメージ。たとえば4月に、任天堂とコラボレーションした「パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズエディション」をニンテンドー3DS向けソフトとして発売する。これも僕らにとっては線でつなぐプロモーションの一環だ。

スマートフォンを持たない方々や、すでに遊んでいる人たちにも、今までと違った形でパズドラを遊んでもらえる。特に将来、ゲームを遊んでもらえそうな子どもたちに安心して触れてもらいたい。だから家庭用ゲームにもこだわる必要がある。

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