絶好調の水産大手、問われる「高騰後」のシナリオ マルハ、ニッスイ、極洋は海外や養殖に本腰
魚の価格高騰を追い風に、水産大手は各社とも順調なスタートを切った――。
9月16日(金)に発売した『会社四季報』2022年4集(秋号)では、全上場企業3865社に対し担当記者が企業業績の進捗状況などを取材し、独自に業績を予想している。四季報記者が会社予想を上回る水準に予想を引き上げた企業は投資家からの注目度も高い。
今回はそうした「増額修正」が多かった企業群のうち、水産業界を取り上げる。
繁忙期ではない出足から絶好調
秋号は、3月期企業の出足となる第1四半期(4~6月)決算の状況を踏まえた号となっている。魚の調達・販売・加工を一貫で行う水産総合大手を見ると、最大手のマルハニチロ(1333)が2023年3月期の営業利益予想240億円のうち、約3分の1にあたる78.6億円を第1四半期時点で稼ぎ出した。
事業別の内訳を見ると、家庭用冷凍食品などを手がける加工食品事業の利益が12.3億円(前年同期比38.9%減)にとどまる一方、養殖や水産商事などの水産資源事業が53.1億円(同98.0%増)となるなど、好発進ぶりが際立った。出足の高い進捗率などを考慮して、『会社四季報』秋号では通期の営業利益を前号の240億円から265億円へと独自に増額している。
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