この「豊満な身体」が私の生き方と働き方を変えた コンプレックスをいかに自信に変えたらいいか

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私は現在、アメリカ・ロサンゼルスで俳優・コメディアン・プラスサイズモデルなどの人前に出る仕事をしています。でも、163センチで80キロを超えるこの体型は、日本では「ふつうの女性」としては見てもらえませんでした。学生時代は、「デブ」「ブス」と言われ、容姿のことでいじめられ、不登校で引きこもりになったこともあります。

そんな状況でしたから、「私なんて、芸能活動をやろうと思っても無理だよね」「見た目が良くないから、人前に出る仕事をしても誰も喜ばない」と自分を否定して夢を諦めていました。ですが、今ロサンゼルスでプラスサイズモデルとして活動できているのは、この「太っている」「(従来の)モデルなんて無理」とされる体型だからこそです。

もし私が豊満な身体じゃなかったら、今のような生き方、働き方はできていなかったはずです。コンプレックスも込みで、「ありのままの自分」を受け入れることで、自分のオリジナルな道がひらけました。

自分だけの「目線」が武器になる

コンプレックスを才能にして活躍している人は、私の周りにもたくさんいます。外見的な個性の話でいうと、私には顔にあざのある友達がいます。「医療メイクを学びたい」と渡米してきた女性です。

彼女には顔のあざという彼女らしい個性があったからこそ、当事者にしかわからない悩みをすくい上げて、それをメイクとして表現できているわけです。「その個性を持っている人にしかない目線」を武器にして、人助けをしているんです。

顔に傷跡があるハリウッド俳優の知人も、コンプレックスを活かしている人じゃないかな、と思っています。彼女がまったく隠そうとしない顔の傷を見て「どんな人生を生きてきたんだろう」「どんな過去を抱えているんだろう」とミステリアスな魅力を感じるし、悪役を演じるときは「なんて『いい悪役』なんだろう」と、彼女の演技に見入ってしまいます。彼女は「いい役者だし、今後もさらによくなる」と業界や周囲からの評価も高いです。

内面的なコンプレックスだって活かせます。例えば、私は夜に心が辛くなることが結構あります。その状況と向き合って、自分なりに対処法を考え続けてきました。その経験や考え抜いた方法は必ず活かせるし、誰かの役に立つと思うんです。

次ページ克服する過程でさえも、誰かの救いになる
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