アイス好きな人にたまらない「最新売れ筋TOP13」 イエナカでは小容量も人気、消費者心理の裏側

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森永製菓 冷菓マーケティング部の中村望さんはこう話す。1972年に誕生した同ブランド(発売時の商品名は「チョコモナカ」)は今年で発売50周年を迎えた。

「テレビCMを中心に、さまざまなメディアで50周年を訴求しています。CMでは、ボリュームが大きい50代以降の方に、昔のパッケージを懐かしんでいただけるようなクリエイティブを意識しながら、関ジャニ∞さんのタイムマシンの世界観で訴求しました」

これ以外に、「正式名称キャンペーン」(言い間違いが多いことから正式名称を当てる)や「工場直送ジャンボが当たるキャンペーン」などをSNS中心に訴求している。

「正式名称キャンペーンでは、景品もインパクト大の『スーツケース』で、クスッと笑えるようなジャンボらしい景品を選定し、応募数は約5万件と大きな反響をいただきました」

商品特徴も紹介しよう。「チョコモナカ」の真ん中に入るチョコは板チョコではなく、液体を流し込み固めるなど、喫食時の口溶けを意識し、モナカのパリパリ感へのこだわりも強い。

商品設計が異なる「バニラモナカ」では、そのパリパリ食感を実現するため、モナカの吸湿を防ぐ「チョコの壁」の技術を開発。商品では“チョコミミ”として訴求する。

チョコモナカジャンボ」「バニラモナカジャンボ」
パッケージでも“パリパリッ!”を主張する「チョコモナカジャンボ」(左)と「バニラモナカジャンボ」(写真:森永製菓)

2005年発売の「パルム」は“上質感”を訴求

森永乳業から「パルム」が発売されたのは17年前の2005年。ロングセラーが多い上位ブランドの中では“若手”だが、「特売などの低価格販売とは一線を画す」思いで誕生した。

なお、森永製菓と森永乳業は兄弟会社だが、商品開発はそれぞれ独自の道を貫く。

「パルムは一貫して『上質感』を訴求してきました。“チョコがけしたアイス”を掲げ、アイスとチョコが同時に溶けるのも消費者の方に支持されています。日本の消費者の舌は繊細で、年々それをご評価いただいていると思います」

当時のマーケティング担当者はこう説明したが、その商品哲学も受け継がれている。

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