こうなると、働き方もリモート一点張りではなくなりつつある。業務遂行で人が集うことはその意味を再認識させつつある。人が集まることで創造性が生まれやすいことを再認識したり、働く現場に一緒にいることで若手の成長スピードを上げたり、営業提案力を強化するために出社を増やす会社は増えてきた。
リモートにせざるをえなかった時期は終わり、生産性を最大化するための働き方に変わりつつある。それにはある程度の出社が必要であり、人が集まって仕事をし、仕事以外の時間を豊かにするために人と会うようになる。仕事だけでなくプライベートでも、都市部の多様性の魅力が再評価されるだろう。
都市圏の不動産の需要も増え続ける
そして人の流出入は当然、不動産市場の需給バランスにも影響を与える。人が流入する都市圏の需要は、この後も増え続けるのは間違いない。
もう少し細かく見ると、都市圏において不動産の需要が増える要因は3つある。①他県からの日本人の流入、②外国人の流入、③実家から1人暮らしを始める世帯分離、だ。
そのうち、①については、さきほども見たように、コロナ禍でも東京圏への転入超過が続いており、その大半が日本人だ。
②の先行きは不透明だが、③については、実家暮らしの大学生が働くようになると、実家を出て1人暮らしを始めるケースが多い。リクルートワークスが発表した2023年3月卒業予定の大卒有効求人倍率は1.58と、2022年卒(1.50)よりも高く、都市部への人口流入も増えることが予想される。日本の企業や教育施設は年度単位のところが多いので、春の大移動時期の人口流入増加は、不動産需要が増えることを意味することになる。
なお、東京圏の人口の流出入は20代の影響力が大きく、それは新型コロナ流行後も変わっていない。有効求人倍率の上昇に伴って、とくに20代を中心とする若手にとっては都市部で働き口が増えていることが再認識され、それにつれて不動産の需要も高まるだろう。
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