ハワイで「コロナ陽性」…体験者が語る悲痛な教訓 9月7日に陰性証明書の提出義務はなくなるが…

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ちなみに、あまり知られていないが、再度検査して陽性が出たとしても、「領事レター」という救済措置が存在する。

日本政府が認める検査法で陽性結果が出てから5日間、隔離した後でも再び陽性が出た場合には、「最初の陽性通知書と5日後のその陽性通知書」、医師による「回復証明書(Recovery Certificate)」、「パスポートのスキャン」、「フライトの再予約スケジュール」の4つの情報と資料を、滞在する国や都市の領事館にメールする。そうすると原則即日かつ無料で「領事レター」を発行してくれるのだ(15時以降は翌日)。

2回の検査費用と回復証明書で場合によっては500ドルくらいかかってしまうのだが、この対応のスピーディさは、いつ帰国できるのかと心細く思う旅行者にとっては地獄に仏。

ただし「回復証明書」の入手はかなり厄介

ただし、この「回復証明書」というものがなかなかの曲者だ。現地の領事館でも回復証明書を発行してくれる機関を把握しているところは少なく、回復証明書を発行してくれる医療機関が見つかるまで自分で探し続けなくてはいけない可能性がある。

筆者が住むハワイ島にある医療機関、およそ20軒に電話してみたところ、回復証明書を発行しているところは、「アロハ・アージェントケア」と「HMIA 帰国用PCR検査サービス(日本語可)」のわずか2か所しかなかった。

オアフ島を訪れる多くの日本人がPCR検査を受けるHISハワイ運営「ワイキキPCR検査センター(日本語可)」でも、陽性が出た後は別の医療機関で再検査をしなくてはならず、教えてもらった2軒に電話をかけたものの、1度もつながることはなかった。

9月7日0時以降は、3回のワクチン接種証明書さえあれば、このような煩雑な手続きはなくなる。一方、帰国時にワクチンを3回接種していない人、例えば2回だけの人、1回だけの人、1度も接種していない人は従来通り、陰性証明書の提示、もしくは陽性の場合は5日間の隔離が必要となる。

その際はまた、回復証明書→領事レターという流れをとらねばならず、注意が必要だ。

次ページ領事館も大変混乱している様子…
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