妻に「800万の借金」が発覚して訪れた最悪の展開 クレカの不正使用疑うも「妻の散財」だった…
僕は2011年に自宅購入のため7700万円の住宅ローンを組んだ。利率0.775%で期間は35年。ギリギリまで銀行から借りた。そして、翌年末に引っ越して住み始めたが、この通話をしている19年5月時点では、数千万円の支払いが残っていた。
将来を見越すと、1万円でも2万円でも繰り上げ返済するのが得策だ。そのため当月の支出が少なかった時、収入が多かった時は、すかさず手続きをした。
妻が手を出したリボ払いには、毎月の返済額を一定にできるメリットはある。ただし、金利手数料がかかり、支払い総額は結局のところ大きくなる。その一般的な金利は実質年率15%とされる。1%を切る金利でも、その支払い分を少なくしたいと、僕は地道に繰り上げ返済をしてきた。なのに、彼女は15%の金利でじゃぶじゃぶと買い物をしていたのだ。
僕はジャーナリストとしての駆け出し時期に、多重債務問題をかなり取材した。キャッシングとリボは、クレジットカードの二大落とし穴だ。「これには手を出さない」。
僕はそう誓って守ってきたが、まさか妻がはまる、とは……。
借金は800万円
展開の意外さと早さについていけなくなりそうだが、黙り込むわけにはいかない。妻は「債務整理をしてもらった」と言った。自己破産ではないので、借金は残っている。彼女が背負っている借金の総額を知る必要があった。
こと、この状況下でも、打ち明けたがらない妻に、僕は繰り返した。
「さっきも言ったけど、できる限り力になりたいよ。縁があって、好かれ合って夫婦になった。子どもにも恵まれた。幸せを一緒に作ってくれた妻である美和ちゃんを、このまま放っておける? 同じ屋根の下にいて、毎日顔を合わせるのに」
僕が言葉を重ねると、妻の明かさないとする決心が揺らいできた。「本当に力になってくれる?」「信じていいの?」。彼女が問うてきた。僕は「力になるつもりだよ」「信じてよ」と返す。「あの、あのね」。それでも彼女は口ごもった。さらに一呼吸分の間合いを取ると、彼女はついに金額を打ち明けた。
「800万円。800万円なの」
「へっ、えっ、へ〜っ」
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