厚切りジェイソンを非難する投資家は危機的だ 他人の儲け話にすぐ乗りたがる人の深刻盲点

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株式投資は、天井近くまで激しく上昇した後が一番危険です。一気に急落したときには、誰もが先を争うように「売り」を求めるからです。最悪の場合、買い手がつかずにどんどん値が下がっていきます。

そうしたパニック売りになる前に、賢い投資家たちは安全なタイミングで売り抜けています。株価が高くなってから参入する人は、そうした裏のカラクリまで、十分知る必要があるわけです。

賢い投資家の最後の仕事は、愚かな投資家に「自分の持ち物を高く売りつけること」と知っておくべきでしょう。そのタイミングこそが、愚かな投資家が一番興味をそそられ、欲望を強く示すときだと知っているからです。

他人の情報や真似事だけで投資をすると、結局このラットレースにはまってしまいます。いつまでも不利な条件で、相手から買わされる側になるわけです。一度や二度運良くうまくいったとして、自分の頭で考えられない人、思考停止の人というのは、いつかは賢い投資家にカモられてしまいます。

だから、自分の頭で考えて成功することが重要なわけです。そのための経験を急いで積まないと、投資では絶対に継続的にうまくいきません。

私はセミナーなどで「愚か者が最後にババを引く行為」という辛辣な言葉で、よく紹介しています。辛辣な言葉ですが、それぐらいのメッセージで伝えないと、個人投資家はなかなか行動が変わらないのです。

数年で億を手にする投資家は少数派

一般的な富裕層というのは、ほとんどの人がコツコツと貯めて、それを投資に回して、長い時間をかけて資産を手に入れた人です。

今話題のFIREやミリオネアと呼ばれている人は、一攫千金を当てた挑戦的な投資家だと考えている読者が多いかもしれません。けれども、数年で億を手にしたラッキーな成功者は、投資で財を成したミリオネアの中で1%もいないマイノリティ(少数派)だと私は思います。

派手に相場を張って稼ぐ人というのは、ほとんどの場合、ミリオネアの実態とはかけ離れています。大半のミリオネアは会社勤めをしたり、そこで得られる賃金を節約して、なるべく使わないようにして再投資して、コツコツと長い時間かけて資産を作った人です。

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