イタリア人が並んで食べる「ジェラート」の真実 おいしいジェラテリアでは「中が見えない」

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ランチの後にジェラートを楽しむイタリア人家族。8月、アルプスの避暑地として有名なクールマイユールにて(筆者撮影)

そんなイタリア人が唯一、「今、あそこがおいしいらしい!」「あそこのアレ、食べた?」と盛り上がり、並んででも食べたいと思うものがある。それがジェラートだ。

「食事をしてお腹がいっぱいになった後で、友達とおしゃべりをしながら、夕涼みがてらに並んでいるのは苦にならない」と言う。いや、真冬だって並んでいるのを見かけるから、夕涼みは関係ないのかもしれない。

レストランなどで外食した後、「デザートはパスしてジェラート食べに行こう」という作戦は、イタリア人の間ではとてもポピュラーだ。レストランのデザートに高いお金を払うより(しかも高くて気取っているわりに、たいしておいしくなくてガッカリするより)、2~3ユーロ程度でおいしいジェラートを食べながらおしゃべりに興じるのが、イタリアの食後の過ごし方人気ベスト1なのだ。

バニラ味のジェラートとコーヒーの「アッフォガート」

ちなみにレストランやトラットリアでデザートメニューを見ても、あまり惹かれるものがない、でもデザートをパスできない状況や、デザートはパスしてジェラテリアへ行こうよと言えない状況のときには、私はバニラのジェラートを頼んで「アッフォガート」にしてもらう。

アッフォガートとは「溺れた」という意味のイタリア語で、器に盛ったバニラやミルクなどニュートラルな味のジェラートにエスプレッソをたっぷりとかけて、ジェラートがコーヒーに「溺れた」ようにすることからこの名前がある。こうすると、イマイチなジェラートでもおいしく食べられるうえに、食後のコーヒーもいただけて一石二鳥。

でもイタリア人はリキュールなどでアッフォガートにする人もいるので要注意。隣のイタリア人と同じものを、なんてニコニコしていると、アルコール度の強い強烈なアッフォガートがやってきたり。ベースにするジェラートもバニラであるべしという決まりはないけれど、コーヒーとよく合うということで、バニラ味のジェラートとコーヒーのアッフォガートが王道ということになっている。

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