日経平均株価は再び3万円を突破すると読む理由 「空売り勢力」はこの局面をどう見ているのか

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しかし、これらと比べ、8月10日のCPI発表時はどうだったか。NYダウは535.10ドル(1.63%)高の3万3309.51ドルと大幅反発し、終値としては5月上旬以来、約3カ月ぶりの高値となった。7月のCPIが前年同月比+8.5%と、6月の+9.1%を下回ったからだ。

この1・6・8月の3回のCPI発表時でわかるように、現在のNYダウはCPIと見事に反対に動いている。異常な水準まで上昇しているCPIを抑えるため、景気後退まで容認する姿勢で取り組んでいるFRB(連邦準備制度理事会)の利上げ政策を考えれば、当然のことである。

さて、そのCPIの趨勢だが、12日に発表されたミシガン大学の1年先の期待インフレ率は5.0%と、6カ月ぶりの低水準になった。原油先物価格をはじめとする商品市況の頭打ち感から見ても、CPIの6月の+9.1%がピークになった可能性は高い。

もちろん、これからどんなペースで低下していくかは明確ではないものの、低下するCPIと反対に動くNYダウが、今後大きく下落するとは考えられない。下がらなければ、あとは上がるだけだ。

陰の極だった4~6月

もう1つの理由は、四半期ベースで見たNYダウの趨勢だ。景気変動は四半期ベースで語られることが多いが、経済現象の1つであるNYダウの値動きも四半期ベースで語ってもいいはずだ。

同指標のチャートと日経平均を比べるとひと目でわかるが、日経平均は昨年7~9月期がピークで、今年の1~3月期が底値だった。

一方、ダウは1月(1月4日の史上最高値3万6799.65ドル)が高値だが、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻によって大きな下げとなった。そのため、1~3月期は下落途中の期間で、GDP(国内総生産)成長率も-0.5%となった。

また、4~6月期はウクライナ情勢が引き続き混迷し、前出のように6月のCPIが前年同月比で9.1%となるなど、インフレは40年ぶりの水準にまで高騰した。FRBは1回の利上げ幅としては「30年ぶり」となる0.75%で対応し、4~6月期のGDP成長率は-0.9%と2四半期期連続のマイナス成長となり、この期のNYダウは一時3万ドルを割れた。

では、残すところあと1カ月ちょっとだが、7~9月はどうなるか。前出のように7月のCPI(+8.5%)が6月(+9.1%)よりも軟化したことで、FRBによる9月の利上げはおそらく0.5%になるだろう。また、GDPもプラス成長に回復する見通しだ。一方で、企業業績は懸念されるほど悪くないことを徐々に確認できている。

その次の10~12月期はどうか。増税と気候変動対策費、インフレ対策などを組み合わせた「歳出・歳入法」が成立。11月8日の中間選挙前に、GDPはプラス方向に動きそうだ。

今年の前半下げたNYダウは、7~9月期、10~12月期と回復に向かうとみられる。振り返ると、明らかに4~6月期が「陰の極」だったわけだ。

日経平均も1~3月期で底を入れ(3月9日の2万4717円)、4~6月期の攻防戦の末、7~9月期は反転態勢となりつつある。10~12月期はどうか。

日経平均から「四半期1回分」遅れたNYダウの「陰の極」からの反発エネルギーで、「日経平均も年末相場あり」と考える。目標は3万2000円だ。一時は消えた、年初のコンセンサスだった水準である。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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