「年末の株高は不変」でも頭に入れておくべきこと 重要統計には「来年の株価下振れの兆し」がある

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日米など主要国の株価は年末高へと向かいそうだ。だがアメリカの動向を見ると、来年に向けて気になる指標があることも事実だ(写真:ブルームバーグ)

結論から言うと、筆者の日米など主要国の株価シナリオは足元で変わっていない。今年は「年前半に株価が下振れするが、年末に向けて再上昇する」という展望をずっと説明してきた。

「年末高、来年は調整後上昇トレンド復帰」の予想不変

当初は「6月ごろが最安値」との展望だったが、それを「3月が最安値」といった修正を行った(結果として、日本株はそうした修正を行って正解だったが、アメリカは当初の6月安値を変えないほうがよかった)ものの、大枠の見通しはまったく変更していない。

来年の展望も、少しずつ当コラムで述べ始めている。それは「主要な株価指数は今年末の高値から、いったんは大きく下押ししようが、その後長期的な株価上昇基調に復する」というものだ。

今回は、来年の展望を中心に語ろうと考えている。その前にひとこと言っておくと、さほど予想が変わっていないので、いつもこのコラムを読んでくださる方は「なんだ、あまり変わっていないな」と思われるかもしれない。

ただ、筆者があまり見通しを変えないことは、読者の方ならよくご存じだと思う。そのため、対面のセミナーでは「なぜいつも見通しを変えないのですか」とのご質問をいただくこともある。

その背景としては、筆者の分析手法が大きいと考えている。筆者はテクニカル分析の知見は乏しく、ファンダメンタルズ分析に依っている。ファンダメンタルズとは、株価や金利、為替相場などの動向に影響を与える、基礎的な(ファンダメンタルな)要因、例えば景気や企業業績、諸政策などを指す。そうした諸要因に基づき、市況動向の予想を立てるのが、ファンダメンタルズ分析だ、との理解が一般的だろう。

ただ、筆者としては、多数意見ではないかもしれないが、ファンダメンタルズ分析の本質はそうではない、と理解している。ファンダメンタルズ分析とは、主に次の2点が骨格だと考える。

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