「カレー工場→バンド」障害者が見つけた居場所 「誰とも話さずカレー粉を詰める毎日はイヤだ」

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スーパー猛毒ちんどんのリーダー、イノウエさん(写真:弁護士ドットコムニュース)
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"オレたち障害者は、勇気を与えるために生きてるんじゃない!"と叫ぶ知的障害者・身体障害者がフロントマンのロックバンド「スーパー猛毒ちんどん」。運営母体となる「虹の会」は、"障害が重くても地域で当たり前に暮らす"を掲げて、埼玉でリサイクルショップ「にじ屋」を経営しています。2021年10月には、副会長の佐藤一成さんに話を聞きました(記事はこちらから)。
相模原障害者施設殺傷事件から6年が経ちますが、わたしたちはあの衝撃を福祉という大きな枠に閉じ込めてしまっていないでしょうか。障害や福祉と名付けられたものは別世界のものではなく、誰の生活とも地続きにあるはずです。
今回は、スーパー猛毒ちんどんのリーダーであり、「虹の会」に通っている知的障害当事者・イノウエさんの人生を聞きました。
「同じ障害を持っている人に、世界には楽しいことがあるって知ってほしい」と語るイノウエさんが、「楽しいことがある」と思うようになるまでには、孤独や悔しさがありました。

普通学級では勉強についていけなかった

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

――イノウエさんはスーパー猛毒ちんどんのリーダーとしてライブで大活躍していますが、「虹の会」に来るまではどのように過ごしていましたか。

小学校の高学年からいじめられていました。普通学級に通っていたけれど、自分は字が読めないし勉強についていけなかったんです。掃除用のロッカーに閉じ込められて、外からドアを押さえつけられたけどクラスメイトは助けてくれなかった。

次ページでも、親からは…
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