「犬猫殺処分ゼロ」実現への高いハードル

超党派の議員連盟が発足、今後の課題とは?

「動物愛護全般でやろうという声もあったが、まずは一番大事な殺処分問題から取り組みたい。視察をしたり勉強会を開いて、政策提言を出すことも考えている」

小学校3年生の時、動物愛護センターに連れて行かれた隣家の犬を引き取りに行った経験を持つ福島氏は、やる気満々でこう述べた。同設立総会には議員だけではなく、2020年の東京五輪までに犬猫殺処分ゼロを目指すキャンペーンを展開する女優の浅田美代子氏やタレントの杉本彩氏なども参加。杉本氏も「2020年までに生体販売ゼロを目指したい」と語っている。

会場では資料として「全国都道府県知事からのメッセージ集」も配布された。犬猫の殺処分は自治事務であるため、各自治体の取り組み方が重要になる。

これを読むと、香川県や沖縄県では殺処分数が多い一方で、目覚ましい成果を上げているのが神奈川県で、2013年度には「犬の殺処分ゼロ」を達成した。その主力となったのがボランティアの存在だという。同県保健福祉局の担当者はこう述べる。「ボランティアの中に犬の訓練士の資格を持つ人がいて、問題行動がある犬も訓練して新たな飼い主に引き取ってもらえるようにした。こうしたボランティアの数が増えたことが一番の要因だ」。

犬殺処分ゼロを達成した神奈川県の悩みは子猫

神奈川県は引き続き「犬の殺処分ゼロ」を宣言。同時に猫の殺処分ゼロも目指している。しかし猫は外飼いが多く、年に2度ほど妊娠・出産するため、どうしても管理が難しい。さらに子猫の場合は人間が育てにくいという事情もあって、犬以上に新しい飼い主が見つかりにくいこともある。実際に神奈川県では2013年度の猫の殺処分数は約440件で、その多くが子猫だったという。

神奈川県と同じく、積極的に殺処分数減少に取り組んでいる高知県では、犬の殺処分数は2008年から2013年までに、約3分の1に減少させた。猫については2014年度から獣医師会と協働してメス猫の不妊手術費の一部公的負担事業を展開し、飼い猫1匹について6000円、野良猫1匹について1万円助成するということで、年間490万円の予算を計上している。だが2338匹(2013年度)という殺処分数をゼロにするまでは遠いといえる。

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