コロナ禍の「売れ筋マスク」激変した歴史をたどる コロナ禍に「売れた」「売れなかった」商品トップ30

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そこで、「使い捨ての立体型マスク」と「繰り返し使えるマスク」だけを集計したのが下のグラフである。

立体型マスクが繰り返し使えるマスクを上回ったのは、昨年の8月9日週である。以来、多少のでこぼこはありながらも、完全にウレタンマスクを凌駕したことがわかる。

ウレタンマスク人気が低下したワケ

もともとウレタンマスクに人気が出たのは、形状や色合いが、普通の使い捨て不織布に比べてファッション性が高かったからだろう。立体的で普通の不織布に比べて苦しくないとも言われていた。

ところが2020年12月、理化学研究所がある研究結果を公表するのだ。スーパーコンピュータ「富岳」を使ってマスクの効果をシミュレーションすると、ウレタンマスクは不織布に比べて、吸い込み飛沫量、吐き出し飛沫量ともに、その抑制効果は大きく劣るという。

これを受け、不織布を推奨する流れができ、電車内などでウレタンや布製のマスクをしているとトラブルになる事態も発生するようになった。

このため、不織布マスクの上からウレタン製や布マスクをする“新常識”が登場、瞬く間に定着していくわけだが、それと同時並行で供給が増えだしたのが、ファッション性を意識した不織布製の立体型マスクである。

2020年の年末の理化学研究所の公表を受け、各社が開発に着手したのだろう。2021年4月13日、ユニチャームがウイルス飛沫を99%遮断し、なおかつ立体型だから鼻や口の周りに空間ができて苦しくないという、高機能の立体型不織布マスクを発売した。

しかも色はグレーとベージュの2色。ウレタンに求められたファッション性を意識したことが見て取れる。7枚入りで店頭想定価格は税込みで438円。1枚あたり62.5円と、通常の不織布マスクに比べてかなり高かった。

この2週間後の4月28日、今度は健康食品メーカーの医食同源ドットコムが立体型不織布マスクを発売。色はグレー、ベージュ、黒、ピンクの4種類。やはり7枚入りで店頭想定価格は税込みで437円。1枚あたり62.4円だった。

次ページ立体型マスクが普及するまで
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