コロナ禍の「売れ筋マスク」激変した歴史をたどる コロナ禍に「売れた」「売れなかった」商品トップ30

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コロナ感染拡大以降、さまざまなマスクが登場してきた(写真:時事)

6月上旬には、全国で1日2万人前後で推移していたコロナの新規感染者数。それから2カ月もたたないうちに、連日20万人を突破することになると予想していた人はいったいどれほどいたのだろうか。これまで自分の周囲で感染者が出た経験がなかった人でも、にわかに周囲で感染者が増えだしているはずだ。

市場調査会社のインテージが、新型コロナの影響を受ける直前から週次で全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントショップなど、約6000店舗の販売動向を追う「新型肺炎カテゴリー動向」。このほど公表された6月27日週までの動向では、マスクが再び前年比2桁増となった。

その牽引役は立体型マスクだという。今回はコロナ時代の申し子・マスクにフォーカスしてみたい。

昨年夏に立体型がウレタンを逆転

全品目を対象とした前年比伸び率のランキング上位には、日焼け止めやスポーツドリンク、制汗剤などが入った。例年より1カ月近く早い梅雨明けで、6月下旬から猛暑に見舞われた影響が端的に表れた。

そんな中で、全品目ランキングの上位30品目には登場しなかったが、雑貨部門で7位に入ったのがマスクである。6月27日週で前年比116.9%を記録した。そのマスク、今では実にさまざまな種類のものが出回っているが、今回のランクインに貢献したのは立体型だ。

下のグラフは、コロナの影響がまったくなかった2019年1月の1週目から、今年6月27日週までの3年6カ月の間の、同調査対象店舗6000店におけるマスクの販売金額推移をタイプ別に示したもの。不織布が代表的な「使い捨てマスク」、「使い捨ての立体型マスク」、ウレタン素材が代表的な「繰り返し使えるマスク」の3タイプに分けて集計している。

「繰り返し使えるマスク」には、洗って使えるナノファイバー素材のものや、立体型でも繰り返し使用できるものも含まれているが、大部分はウレタンマスクだ。

このグラフでは通常の「使い捨てマスク」の販売金額が大きすぎるので、「使い捨ての立体型マスク」と「繰り返し使えるマスク」の増減が読み取りにくいかもしれないものの、昨年夏頃から立体型が伸びてきていることはおわかりいただけるだろう。

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