中国BYDを侮る人は大波乱の条件をわかってない 日本参入、ゲームチェンジの歴史は繰り返すか

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BYDの日本参入に当たって3車種のEVが披露された(写真:BYDニュースリリースより)
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中国の電気自動車(EV)大手のBYDが日本市場に本格参入します。今年7月に乗用車の販売やサービスを手掛ける新会社を設立。3車種を2023年から順次販売開始します。

発表会の映像を見てその場で直感したことは「私はこの車を買うことになるだろう」という強烈な予感でした。これは経済評論家としての確信です。発表された3つのモデル「ATTO 3(アットスリー)」「DOLPHIN(ドルフィン)」「SEALシール)」の3車種の中でも来年半ばに登場するドルフィンというコンパクトカーに私の目が釘付けになりました。

大半の読者の方は自分ごととして考えた場合に、中国メーカーの車を買うことは少なくとも今の段階ではイメージできないのではないかと思います。おそらくBYDジャパンも参入当初の2~3年、厳しい時期を経験するのではないでしょうか。しかし5年後の2027年頃になるとおそらく日本人消費者は普通にBYDのEVを購入するようになると私は予測します。

今回は私がそう考える理由を、経済予測の手法を紹介しながら記事にしたいと思います。

BYDのEV販売、2022年上期は世界トップ

世界の電気自動車市場ではアメリカのテスラ、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)などとともに中国勢が販売台数で熾烈なトップ争いを繰り広げています。今年3月に日本経済新聞が発表した2021年の世界販売台数ランキングでBYDは世界4位でしたが、2022年に入ってからは急速に販売台数を伸ばし、前年比3倍を超える64万台を販売してEVを中心とする新エネルギー車市場で世界販売台数トップになったようです。

ここでまず認識しておきたいことは昨年時点での世界のEV販売台数ランキングではトップ20社のうち12社が中国勢だということです。日本勢は日仏連合としてルノーと合算された日産自動車と三菱自動車がランクインした以外は、トヨタ自動車、ホンダを含めて圏外にいるのです。

中国では政策として自動車メーカーは一定比率のEVの生産を義務づけていることからEV専業ではない自動車メーカーもEVの販売に力が入っています。2021年の世界販売台数ではアメリカのテスラが約94万台とダントツの販売台数を誇っているのですが、中国のトップ12社を合計すると約185万台とテスラのほぼ倍の数量です。そして先ほど数字をお伝えしたように2022年上期ではBYD一社単独で64万台と昨年上期のテスラの販売台数を超えてきました。

そしてこの段階でついにというべきか中国のBYDが日本市場に本格参入することを表明したのです。そこで読者のみなさんに考えていただきたいのですが、自分ごととして考えた場合に中国メーカーの自動車をマイカーにするという選択肢が生まれるのでしょうか?

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