マクロ経済スライドは2004年の制度改正で導入されたもので、公的年金に対する発想の転換を国民に求めるパラダイムシフトそのものだ。世界最高の少子高齢化で年金財政が厳しくなり、負担増が止まらなくなることを避けるため、負担(収入)の上限を先に決めて、そのパイの中で給付を調整するスキームに切り替えた。
現在の給付削減が将来世代の給付改善につながる
具体的には、保険料率を18.3%(厚生年金の場合)に固定したうえで、約100年間の収入総額をまず決定。これと約100年間の給付総額が必ず一致するように、受給者1人当たりの給付水準を自動的に調整していく仕組みを導入した。
約100年間のパイが決まっている中で、マクロ経済スライドを早急に実施していけば、それによって余った給付部分を将来の高齢世代に回すことができる。図のように、現在の高齢世代の給付削減が、将来の高齢世代の給付底上げにつながるという、トレードオフの関係が成立しているのだ。
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