新型クラウンに「らしさ」を求めてはいけない訳 4つのタイプを「掛け値なし」で見たその本質

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先行して発売される「クラウン クロスオーバー」(写真:トヨタ自動車)
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通算16代目となるトヨタ「クラウン」の新型が、7月15日に発表された。ボディが「クロスオーバー」「セダン」「スポーツ」「エステート」と4タイプもあり、最初に投入されるクロスオーバーは従来のクラウンと一線を画したスタイリング、横置きパワートレインの4WDなど、話題にあふれた1台になっている。

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ゆえに発表直後からさまざまな意見を目にしているが、多くの意見は従来のクラウンと比べてのものであり、新型車単体の評価、ライバルと比べてどうかなどの意見は不思議なほど少ない。

それほどクラウンというブランドが、日本の乗用車シーンにおいて大きな位置を占めていることを教えられたが、「軽自動車としては」「ミニバンとしては」という評価軸を思わせるところもある。

そこで、ここではクラウンという枠を外して、4つのボディを出してきた意味と、個々の位置づけをつづっていきたい。

全長の短い「スポーツ」の位置づけ

筆者は新型クラウンが4つのボディを持つことと、グローバルにうって出ると宣言したことは、リンクしていると思っている。とはいえ、すべてのボディをすべての市場で販売するつもりはないだろう。

実際に発表会では、豊田章男社長が「エネルギー政策は地域ごとに違うので、クラウンファミリーの中でカーボンニュートラルを達成していく」と語っており、ミッドサイズ・ヴィークル・カンパニー(MVC)でプレジデントを務める中嶋裕樹氏は、「地域に必要なものを導入していく」としていた。それを示唆するのが、ハッチバックのスポーツだ。

ハッチバックスタイルの「スポーツ」(写真:トヨタ自動車)

2021年12月に行われた「バッテリーEV戦略に関する説明会」で披露された16台のうち、最後列中央に展示してあった「クロスオーバーEV」とそっくりだからである。

スポーツのボディサイズは全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mmで、ホイールベースは2770mmだ。4930mm×1840mm×1540mm、ホイールベース2850mmのクロスオーバーと比べると、かなり短い。

これがBEVであれば、サイズを含めて、ヨーロッパ向けトヨタBEVのプレミアムモデルという位置づけが納得できるのである。

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