ちなみに、既報のクロスオーバーには、「2.4リッターデュアルブーストハイブリッドシステム」と「2.5リッターシリーズパラレルハイブリッドシステム」の2種類のハイブリッドシステムが搭載され、どちらも4輪駆動となる。
ドイツ的手法からの脱却
スタイリングに目を移すと、4タイプのボディに共通部分があまりないことに気づく。メルセデス・ベンツやBMWとは対照的な手法だが、デザイン統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏によれば、これは意図的に行ったことだという。
同氏は、「すべてを似せるのは伝統的な手法であり、近年のプレミアムなユーザーは多様性に富んでいるので、それぞれのボディが持つ固有の価値を提案した」と説明。
また、トヨタ自動車のオウンドメディア「トヨタイムズ」の記事でも、「ブランドマネジメントという観点では全車種のデザインを統一する方法もあるが、トヨタは1台1台がお客様にとってオンリーワンの存在になれるかを重視している」と語っていた。
筆者も、全車を同じ造形で揃えるドイツ車的な手法はそろそろ古く、飽きがきているのではないかと感じていたので、新型クラウンの方向性には納得している。
中でも独自性が高いのはセダンで、サイドウインドウ下端のラインがほぼ水平であり、抑揚はない。
前後フェンダーの張り出しもオーソドックスな手法で、線を入れて強調するともしてはいない。プロポーションがミライに似ていることは前述したが、それよりも水平を強調しており、落ち着きを強調しているように感じられた。
それでいて前後フェンダーはミライより張り出し、フロントフェンダーとドアの間にはエアアウトレットを思わせるディテールもある。ミライよりスポーティであることをアピールしているようにも見えた。
残る3タイプでは、クロスオーバーとスポーツはサイドのラインがキックアップするポイント、ドアからリアフェンダーに向けてかけ上がる面の張りが共通している。
とはいえ、いずれも他車ですでに使われているデザインテクニックであり、クラウンという枠を外して見ると、ことさら斬新なわけではない。
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