家のリノベ-ションは人生のリノベ-ションだ ドラマ制作陣が語る『魔法のリノベ』の舞台裏
リノベもドラマも最後がわからないからおもしろい
西尾:第1話で、まだ小梅がグローバル社にいる時代、キッチンが散らかり放題になっているお宅のリノベをする際に、同僚とはまったく違うプランを出すエピソードもおもしろかったです。実際、リノベは担当者によって成否が大きく分かれます。
上田:あのシーンで、会社の方針よりも自分の感覚を大事にする小梅のキャラクターがくっきりとしましたね。
西尾:リノベ業界でトップセールスの立ち位置にいる人は、みんな小梅のような感じで、会社の方針は守りながらもお客さんの幸せを大事にしようとします。私もかつて大手リフォーム会社の営業をしていましたが、営業の真髄は何かと言えば、目の前のお客さま、家族のためにできることを精一杯することに尽きると思うんです。家族のためのヒーローをめざすと言ってもいい。
そのためには、まずは知るためにいろいろ聞く、見る。カレンダーに何が書いてあるか、下駄箱にどんな靴を置いているか、リビングにどんなものを飾っているか。トップセールスは玄関に入る前からテーブルにつくまでに一通り観察するといいます。小梅は暮らしや気持ちを見抜くセンサーがさらに優れているので、聞いたこと以外にも見えること、感じる雰囲気を組み合わせてプランを提案していきますね。
どのお客さんも最初は自分なりの要望やプランがあるんですけど、そのとおりに完成することは実際にはほとんどありません。法律的に難しいとか、構造的にできないということもありますし、自分が出す要望が一番良い方法だとも思っていないことも多い。さらに、契約を交わして工事が始まった後も、近隣の方が何か言ってきてプランを変えざるをえなくなったりする。何が起こるかわからないのがリノベ。だからこそ、信頼できるパートナーを選ぶことが、施主(注文主)さんにとって成功への一番の近道だと思います。『リフォームコンパス』では会社を紹介するだけじゃなくて、ベテラン担当者も指名して紹介するようにしています。