家のリノベ-ションは人生のリノベ-ションだ ドラマ制作陣が語る『魔法のリノベ』の舞台裏

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ドラマ『魔法のリノベ』の脚本を担当した劇団ヨーロッパ企画代表の上田誠氏(写真右)と同作の監修を務める西尾肇氏(撮影:尾形文繁)
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カンテレ・フジテレビ系で7月18日から放送が始まった連続ドラマ『魔法のリノベ』が話題になっている。波瑠演じる主人公の真行寺小梅が住宅リノベーション(リノベ)を通じて人々の暮らし、ひいては人生の悩みや問題までスカッと解決していく〝人生再生ドラマ〟だ。
脚本を書いたのは劇団・ヨーロッパ企画の上田誠氏。映画『サマータイムマシン・ブルース』やアニメ『四畳半神話大系』などの脚本を手掛け、多岐にわたるジャンルで活躍している。一方、ドラマ内のリノベーションに関する設定や描写は、リノベーションの専門家であり、『住宅リノベーション2000件以上を成功させてきたプロが初めて明かす52の必須ポイント――リノベの心配ごとが全部なくなる本』を上梓した西尾肇氏がリノベ監修を務めている。
「住まいは人生」ともいわれる。リノベをテーマにした新ジャンルのドラマにかかわる2人が、リノベについて語りあった。

リノベ会社の営業担当者は「幸せ配達人」

――住宅リノベーション(リノベ)を題材にしたドラマは新しい試みですね。

上田:僕は演劇の劇作家ですので、普段から建築の本や写真集をよく見るほうなんです。脚本は単にセリフを書くだけと思われがちですが、役者の衣装や立ち振る舞い、舞台美術のしつらえといった構成要素すべてに目配りが求められます。

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ドラマ専門の作家が人間同士のやりとりに主眼を置くのに対して、演劇は場所を書くものとも言えます。場所の文脈が大事になる。この前公演した『九十九龍城』は建物にまつわる話だったので、モデルとなった香港の『九龍城砦』の資料にたくさんあたりました。歴史のあるイレギュラーな文脈の中でああした魔窟が生まれたのだな、とわかりました。

さらに言うと、京都にある僕の実家が築100年ぐらいの焼き菓子工場で、そこを劇団の事務所にしています。今は父親が亡くなって製菓業は廃業し、劇団だけで使っていますが、そうなるまでにも、工場の中の使われていない空間を改築して劇団用の会議室にしたり、映像編集室にしたりしてきた経験があります。リノベはもともと興味のあるテーマでした。

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