家のリノベ-ションは人生のリノベ-ションだ ドラマ制作陣が語る『魔法のリノベ』の舞台裏

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上田:着地点がわからないのはドラマも一緒です。映画だったら頭から最後までバチッと構成を作って脚本を書きあげますが、ドラマは1話書いてみて、1話こうなったから2話こう書こうか、という感じで進めていく。途中から撮影が始まり、「この2人の俳優のシーンがすごくいいから、シーンを増やしたい」といった現場からのフィードバックを反映していく。「この役者さんのスケジュールが合わなくなったので台本を変更してください」みたいなこともあったりするので、臨機応変に書き進めていきます。

人との相性次第というのも、どの仕事でもそうですね。監督やプロデューサーと組んだときの相性。名のある人や実績のある人でも必ずピタッとくるわけではない。

ドラマって一般的には、つかみあったり、怒鳴り合ったり、気持ちをぶつけ合うところがクライマックスなんです。ただ今回は、お客様にリノベの提案、プレゼンをするシーンがドラマのピークになる。対お客様なので、逸脱的な言語は使えない。丁寧な言葉になるから、主人公らしさを伝えるのが結構難しいんです。これが野武士のような主人公だったらいいんだけど(笑)、トップセールスマンですからね。

毎週月曜よる10時~放送中

「どうぞイメージなさってください」

西尾:プレゼンでは小梅が「どうぞイメージなさってください」と言って、できあがりの世界を施主さんに想起してもらっていますが、あれはいいですね。担当者は単にプランをプレゼンするのではなく、「このプランを実現すると、あなたにはこんな喜びが待ってますよ」という、その人が体験できる喜びの形まで伝えてあげることが大事です。

「広くて明るいリビングになりますよ」と言うよりも「娘さんが友だちを連れてくるかも」とか「お孫さんがよく来るようになったり、一緒に泊まれるようになったりするといいですね」と説明する。間取り図や絵だけではなかなか心に響かないんですけど、イメージができると感動を生みます。実際、「うちがこんなふうになるの?」と泣いて喜ぶお客様もいます。

上田:ドラマではエンドロールでリノベ完成後のイメージが音楽に乗せて描かれていきます。毎回、いいシーンになっていますね。

(後半に続く)

上田 誠 劇作家、劇団ヨーロッパ企画代表

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うえだ まこと / Makoto Ueda

1979年京都府生まれ。劇作家、演出家、構成作家。劇団ヨーロッパ企画の代表であり、すべての本公演の脚本・演出を担当。外部の舞台や、映画・ドラマの脚本、テレビやラジオの企画構成も手がける。2010年、構成と脚本で参加したテレビアニメ『四畳半神話大系』が、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞受賞。大喜利イベント「ダイナマイト関西2010 third」で優勝。「企画ナイト」ほか、イベントへの出演も数多い。2017年、『来てけつかるべき新世界』で第61回岸田國士戯曲賞を受賞。2022年7月から放送中のテレビドラマ『魔法のリノベ』で脚本を担当している。

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西尾 肇 住宅リノベーション専門の会社紹介サイト「リフォームコンパス」代表

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にしお はじめ / Hajime Nishio

住宅リノベーション専門の会社紹介サイト『リフォームコンパス』代表。1969年生まれ。ゼネコンを経て住友不動産のリフォーム部門「新築そっくりさん」に約14年間勤務し、全国1位の営業成績を数度収めると同時に、同社キャッチフレーズやリノベ専門のホームページを考案する。2013年、アイコンパスを設立。大規模リフォーム(リノベーション)専門の会社紹介サイトを運営し、一般ユーザーに会社だけでなく担当者を指名紹介するしくみをつくる。リノベーション関連の講演、リフォーム企業向け研修・コンサルティング活動も精力的に行う一方、リフォーム関連の新聞・雑誌に連載経験も。連続テレビドラマ『魔法のリノベ』のリノベ監修を担当。

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