独身男性「婚活は30歳過ぎてから」では危ないワケ コロナ禍で男性にわずかな早婚化傾向の背景

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近畿エリアのある相談所の代表からは「先日もアラフォー男性が2名相談に来られて、口をそろえて『子どもが欲しいので、アラサーくらいの若い女性を紹介してほしい』と当然のことのようにおっしゃったので、先生の婚姻データを見せたら真っ青になっていました」とうかがいました。

お子さんが欲しい気持ちはわかります。しかし、自分がお子さんを作る能力があるということと、自分が希望するような女性に選ばれるか、ということは、まったくもって別の話であるということ、そして繰り返しになりますが、統計的に見れば男性も27歳以降は年々、成婚が厳しくなる、ということをお伝えしておきたいと思います。

初婚同士の夫婦の年齢差、さらに縮小へ

最後に、婚姻データからもう一つ注目する点として、2020年における初婚同士の夫婦の平均年齢差は1.5歳と過去最低値を久々に更新しました(しばらく1.7歳で推移していた)。

結婚が成立するとしても「ほぼ同年齢婚」が主流の今、子どもが欲しいとの理由で若い女性と結婚したいと考えるのならば、なおさら「自分も若いこと」が若い女性から選ばれるための極めて重要な要素になっていることを男性諸氏にお伝えしたいと思います。

コロナ禍の若い男性において、わずかな早婚化傾向がみられることは、対面での出会いが減ったことへの危機感だけでなく、自分たちよりも上の世代の男性が、上述のデータでご説明したような成婚状況であることを目の当たりにし、適齢期に対する意識改革が起こっているからなのかもしれません。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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