吉岡里帆「新しい扉を開ける鍵を見つけるために」 女優になって10年、大切にしてきた「挑戦」の心
舞台はお客さんが入ってから完成するものだと思うので……だから、こちらが狙ってやったところが当たらないこともあるでしょうし、想像していなかったところで反応が返ってくることもあります。そんなふうに意外なコミュニケーションが生まれるってことに、一番グッときています。
積み重ねてきたことが土壌として豊かになってきた
──日々本当にお忙しいと思いますが、どうやって息抜きをされていますか。
吉岡:美味しいものが好きなので、合間を縫っては、どこかに美味しいものがないかを探してます(笑)。あとは何も考えない時間を、1日の中に設けています。本当に何も考えない。やらなきゃいけないことがあっても、今日はやらなくていいよって自分に言ってあげる。自分のことを許してあげる時間を最近はつくるようにしています。
──来年30歳を迎えるとのことで、30代はどんな人生にしたいですか。
吉岡:実は、やっと30歳になれる!という気持ちもありまして。20代はめちゃくちゃ大変な思いをしようって自分で決めて、スケジュールも詰め込んでやってきたんです。でも、これからはもう少しだけ、自分が興味のあること、好きな時間みたいなものに寄せてもいいかなと思っています。それと、本当は凄く旅が好きなんですが、20代は結構我慢していたんです。行ってみたい場所もたくさんありますし、開拓者になりたいです(笑)。
──30代は自分自身の人生を考える、大人になるときですね。
吉岡:そうですね。積み重ねてきたことが、だんだん土壌として豊かになっている感覚もあるので、それを生かせる場所はどこなのか、もう少しだけ精査してもいいかなと思います。
──LEONでは「カッコいい大人」であることを1つの目標にしているのですが、吉岡さんにとってカッコいい大人ってどんな人でしょう。
吉岡:やっぱり包容力と、どんな状態に対してもフラットに物事を見る力がある。あとはバネのように折れない心ですかね。特に今回は、座長ですから、「みんなが前向きな気持ちで仕事をするにはどうしたらいいか」ということも考えていかなければいけない。そのためには、自分が誰よりもタフで優しい人でありたいって思います。あとは、面白いこと探しをやめない、そういう気持ちが大事かなと思います。
(文/木村千鶴 写真/トヨダリョウ)
1993年1月15日生まれ。京都府出身。NHKテレビ小説『あさが来た』(2016)で注目を集め、以降多くの話題作に出演。映画『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019)、主演映画『見えない目撃者』(2019)で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。最近の主な出演作品は映画『ホリック xxxHOLiC』(2022)、『ハケンアニメ!』(2022)、『島守の塔』(7/22〈金〉公開予定)。ドラマでは『カルテット』(2017)、ドラマ初主演となった『きみが心に棲みついた』(2018)、『レンアイ漫画家』(2021)、『しずかちゃんとパパ』(2022)。舞台では『ベイジルタウンの女神』(2020)、『白昼夢』(2021)、劇団☆新感線『狐晴明九尾狩』(2021)など幅広く活躍中。
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