吉岡里帆「新しい扉を開ける鍵を見つけるために」 女優になって10年、大切にしてきた「挑戦」の心
──今はファンの方の応援の声が明確に見える時代ですものね。
吉岡:そうなんです。だからこそ、私に目を向けていただいたことで「こんな面白い作品に出合えた」と思っていただけたらいいなという気持ちがあり。自分自身も挑戦をやめずにつねに難しいほうへ、難しいほうへと力強く舵を切ってきた部分もあります。こんなジャンルもありますよ、と。
挑戦した分だけ新しい扉を開ける鍵を手に入れる
──この10年で気づいたこと、自分の中に生まれた想いや変化などがあれば、教えてください。
吉岡:デビュー当時は映像作品を中心に出させていただいていました。でも2、3年前ぐらいから舞台に力を入れ出して
、ラジオも雑誌にも出させていただいている。それぞれに“それだけが好きだ”と言ってくれる方がいて、一方で、私のファンになってくださったことで、これまで興味を持たなかったジャンルに触れる機会を持ったと言ってくださる方もいる。
どれかひとつに注力するのではなく、今の自分の中ではすべての仕事が同じだけ大切なんです。楽しみにしてくれる人がいたら、その人に向けて、体力が許す限りは全部やれるだけやろうって思っています。
──ジャンルによって表現の仕方がだいぶ違うと思いますが、難しさは感じませんか。
吉岡:そうですね、舞台で教えていただいたことが映像に生きるし、映像で学んだことが舞台に生かせるということもたくさんあるので、やっぱりつながっていると感じます。いろいろなことに挑戦した分だけ、新しい扉を開ける鍵を手に入れるような感覚があって。私も今、挑戦真っただ中って感じなんです。
──役者をされているなかで、どんなときに一番快感を感じるのでしょう。
吉岡:私は物語の中でも特に群像劇が好きなんですが、その好きな理由って、役者同士がお互いをリスペクトし合ってお芝居を積み重ねていくことで、奇跡的な瞬間が生まれることがあって。そういうチームワークみたいなところに凄く惹かれているんです。今回は、稽古を重ねていく瞬間に偶然笑いが生まれるとか、そこにたまらないカタルシスみたいなものを感じます。