投資トラブルに遭う人が意外にわかっていない事 騙された被害者が同時に加害者にもなりうる

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前者では、出資先の会社が倒産し、Bさんにはリターンがなかったとしても、BさんはAさんに借りたお金を返さなければなりません。

一方後者では、投資の失敗は自己責任で、BさんはAさんに投資したお金の払い戻しをする義務はありません。

ただし、これは出資法や金融商品取引法を守っていたことが前提となります。

もしBさんが、Cさんのやっていることが違法だったり、実体がないことを知っていたりした場合には、BさんはCさんの詐欺を手伝っていることになります。法律上は不法行為が成立し、BさんはAさんが被った損害を賠償しなければなりません。

BさんがCさんのことを信じていたとしても、少し注意をすれば実はCさんが詐欺をしていると気づくことができた場合も同様です。Bさんに過失があれば不法行為が成立するからです。

そして、あまりにも大きいお金を動かしている、冷静に考えればありえない配当が支払われている、本来は登録が必要な業務を無登録で行っているといった事情がある場合には、過失が認められやすいといえるでしょう。

Bさんは、Cさんの話を聞いて、「こんなに儲かる話があるなら、友達のAさんにも教えてあげよう」と善意でAさんを誘うかもしれません。

過失があれば被害者が加害者にもなってしまうことも

しかし、そのような場合でも過失があると、自らが被害者になるだけでなく、加害者にもなってしまう可能性があるわけです。

今回の木本さんのケースでも、木本さんがどのような約束をしてお金を集めていたのかや、集めたお金をどのような約束で投資家に渡していたのかによって、単なる投資の失敗なのか、法律に違反する投資話だったかが決まってくることになるでしょう。

三谷 淳 未来創造弁護士法人 代表弁護士

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みたに じゅん / Jun Mitani

慶應義塾大学法学部法律学科出身。2000年弁護士登録後は横浜の大手法律事務所に勤め、数多くの裁判を手がける。このころ旧日本軍の爆雷国家賠償訴訟に勝訴し、数々のマスコミに取り上げられる。しかし、2006年に独立し三谷総合法律事務所(現・未来創造弁護士法人)を設立すると、裁判はたとえ勝訴しても、時間がかかり、依頼者に強いストレスをかけ、結果的におカネも回収できないケースが多いことに気づき、徹底的に交渉術や紛争予防法を研究する。1日5件、週に20件、年間1000件の交渉を実践し、「日本一裁判しない弁護士」と呼ばれるようになる。紛争の早期円満解決や予防は、トラブルを抱えるクライアントだけでなく、企業経営者からも絶大な支持を受け、現在では「経営を伸ばす顧問弁護士」として地域、業種を超えて全国各地の上場企業から社員数名の企業まで100社近くの顧問弁護士を務める。

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