「日経平均年末3万円回復」への3つの重要ポイント 強気継続だが短期ではいったん下落の可能性も

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アメリカのFRBはインフレ退治のための利上げを継続へ。6月の安値から戻してきた日経平均株価は今後も上昇すると見ていいのだろうか(写真:ブルームバーグ)

私は約1カ月前の寄稿「『日経平均2万6000円台』は絶好の買い場の可能性」(6月15日配信)で、かなり強気な予想を立てた。わずか1カ月前のことだが、当時は大半のマーケット関係者が弱気に大きく傾いており、相当目立っていたかもしれない。

結果はどうだったか。7月22日の日経平均株価の終値は2万7914円。正直な感想としては、何とか予想どおりの展開となり、ホッとしている。6月20日の安値2万5771円にはヒヤッとさせられたが、値固めして下値を切り上げ、上値を狙うような値動きとなってきたからだ。

日経平均はボックス相場、なお残る下落リスク

結論から言えば、今後の日経平均株価のメインシナリオ(実現可能性70~80%程度)は「3月を今年の大底として、年後半上昇、年末3万円超」としており、基本は強気の見通しで変更はない。「日経平均『年内3万円超』の可能性は十分にある」(4月22日配信)や、「日本株を覆う『3つの霧』は徐々に晴れてきている」(5月18日配信)で予想したとおりだ。

ただし、短期リスクシナリオとしては目先2万8000円前後でいったん天井を打つ可能性がある。その場合は、今年の大底である3月9日の2万4717円~2万5000円前後まで下落、2番底をもう一度見る覚悟も必要かもしれないと見る。基本は強気メインシナリオを継続するものの、このシナリオも頭の片隅に置いてほしい。

なぜこうしたシナリオも想定するのか。今後の市場を予測するうえで、「ボックス相場の下限到達リスク」「7月27日FOMC1%利上げの可能性」「8月から試される岸田政権の実行力」の3つのポイントを、順に説明していきたい。

前回配信分の原稿では「株価が『節目となる直近高値』を上抜けすれば、さらに上昇することが多い」と予想した。日経平均株価は、ザラバ(取引時間中)ベースでは6月9日に2万8389円をつけ、年初からの同ベースの戻り高値2万8338円(3月25日)を、わずかだが上回った。

しかし、この6月9日の終値ベースでは2万8246円と、年初からの戻り高値の2万8252円(3月29日)にあと一歩のところで下落に転じてしまった。このため、残念だが「明確な強気サイン」はなお点灯していない。

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