「日経平均年末3万円回復」への3つの重要ポイント 強気継続だが短期ではいったん下落の可能性も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

逆に足元は、「株価が『節目となる直近安値』を下抜けすれば、さらに下落することが多い」という可能性もあり、短期的に注意したい。

というのは、日経平均株価はザラバ(取引時間中)ベースでは、6月20日に2万5520円まで下落して、現時点での年初からの2番底(ザラ場ベース)である2万5688円(5月12日)をわずかだが下回ったからだ。それでも、6月20日の日経平均株価は終値ベースでは2万5771円と、5月12日の同ベースの2万5748円を割り込まず、踏みとどまり上昇に転じた。このため、明確な弱気サインも点灯していない。

このように、日経平均株価は終値ベースでのボックス相場(3月29日終値2万8252円から5月12日終値2万5748円)が継続しており、まだ完全に上昇相場になったとは言いがたい。「終値ベースで3月9日の2万4717円(2万5000円前後)に近い2番底をもう一度見る覚悟も必要」との短期リスクシナリオはここから来ている。

FOMCでの1%利上げの可能性は?

さて、日本株の行方を左右するのがアメリカ経済の景気動向であることは論を待たないが、その同国では7月13日に6月のCPI(消費者物価指数)が発表。結果は前年同月比9.1%増と、事前予想の8.8%増を0.3ポイント上回る40年半ぶりの高水準へと加速した。

あらかじめ「ネガティブサプライズ」を避けたかったのだろうか、同国の国家経済会議(NEC)と米大統領経済諮問委員会(CEA)のトップは12日に記者団にメモを配り、CPIの数字が高くなることを事前に警告していた。

6月10日に発表した5月のCPIが前年同月比8.6%増となり、「CPIショック」となったことは記憶に新しい。このときはFRBの金融政策に精通している「WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)記者が0.75%利上げをリークした」と市場が解釈、債券と株式が売られ、同国の10年国債利回りは一時3.5%を突破。結果的に、6月14~15日のFOMCを前に大幅な利上げを織り込ませた格好になった。

ジョー・バイデン大統領が7月13日のCPI発表後の声明で「許容できないほど高い」と危機感をあらわにしたとおり、ホワイトハウスの反応は、11月8日の中間選挙を控え、物価上昇が止まらない現状にパニックになっているようにもみえる。

このため、市場には「FRB(連邦準備制度理事会)はインフレ退治のため、7月26~27日のFOMCで0.75%か1.00%の大幅利上げを継続する」との警戒感が消えていない。

アメリカの景気を腰折れさせることなく物価高を押さえ込む「軟着陸シナリオ」がFRBの思惑どおりに進むかどうかは不透明だ。よって、今後の注目点は「利上げ動向」と、足元で進む同国企業の決算だ。リストラ計画や在庫調整などの中身が問われる。

次ページ今後の日本株のポイントは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事