松本明子さん「遺品整理にはこんなコツがあった」 プロに聞いた、効率的に空き家を片づける方法
実家じまいは法事や神事を節目に考える人が多い
松本:私は母が亡くなったあともなかなか実家を処分できなかったのですが、一般的に実家じまいというのは、親が亡くなり、相続して、どのくらいたってからやる人が多いんでしょうか?
上野:実家じまいをするまでの期間ですが、弊社の事例で言えば、仏教なら三回忌(満2年)や七回忌(満6年)、神道なら三年祭(満3年)や五年祭(満5年)が済むまでは、そのままにされる方が多いようです。
あるアンケート調査でも、実家を相続しても3~6年はそのままにしておくという回答が一番多かったですから、傾向としてはだいたいそういったものかと思います。
松本:法事や神事で一区切りついたところで処分を考える方が多いわけですね。
上野:そうだと思います。つい先日も、「三回忌が済んだので、そろそろ実家を売却したいと思って」と遺品整理のご相談をいただいたお客様がいらっしゃいました。
一般的に2年から5、6年というのは、親を亡くした痛みから子どもが立ち直るのに必要な時間なのでしょうね。だから仏教でも神道でもそのタイミングで法事や神事を行なうのだと思います。
ただし、グリーフ(喪失体験)というのは人それぞれですから、当然、立ち直るのにもっと時間を必要とする方もいらっしゃいます。
その場合は、十三回忌や十七回忌、あるいは十年祭や二十年祭が、実家じまいをするタイミングになるのかもしれません。
松本:親を亡くした痛みが深ければ、それだけ立ち直るのに時間がかかりますからね。
上野:もちろん、なかには急にお金が必要になったからというのが実家じまいの理由であり、タイミングだったという方もいらっしゃるでしょう。
ですから、基本的には人それぞれですが、一般的には親が亡くなって2年から5、6年で処分を考える方が多いということです。
松本:それ以上先延ばしにすると維持費もかかるし、建物も古くなって処分しにくくなるという判断もあるのでしょうね。
上野:それもあると思います。そしてそういう現実的な判断ができるようになるには、人それぞれにそれなりの時間が必要なのです。
松本さんの場合も実家を25年維持してから売却されたというお話ですが、松本さんの人生にとっては、それがベストのタイミングだった、とも言えるのだと思います。
松本:ありがとうございます。そう言っていただけると救われます。
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