グレート・リセット リチャード・フロリダ著/仙名紀訳
リーマンショック以降、時代をとらえる言葉として、「ニューノーマル」が米国ですっかりキーワードになった。「新しい現実」「新たな常識」「新世界」などと翻訳されるが、本書の著者は、その動きに新たなライフスタイルの始まりを見る。
中でも危機の震源の金融について、「マネーゲームと真の富を生む方策を混同」と判断。すでにハーバード大学では、卒業生に金融やコンサル業界を敬遠する動きが見られ、2009年には入社比率がともに半減。その一方で、ヘルスケアや教育関連はほぼ倍増したことに、将来をうかがう。
ただし、変化は一気に、とはいかないという。タイトルにある「グレート・リセット」は3回目で、大恐慌を含む前2回は回復に20~30年ほど必要だったとして、「クリエイティブ階層」が主役のニューノーマルが根付くのにも、その程度の年数が必要と見通す。
都市経済学者が刺激的な社会・経済再生の具体的展望を展開する。
早川書房 2415円
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